最近のビジネス系ベストセラー本の一つに「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 」という個人でできるM&A(企業合併や買収の総称)を提案している本があります。
サラリーマンには一般企業で仕事していた人が、会社の事情により定年・早期退職後を余儀なくされたときに、セカンドキャリアとして飲食業を始める夢を描く人がたくさんいらっしゃいます。
そのような方々を俗に「そば打ち貧乏」と呼ばれており大抵の方はうまくできません。この本ではその選択を「地獄への道」と説明しており、廃業率は20%で全業種トップということです。
またその一方で、起業を考える人もたくさんいます。こちらも同じく「地獄」の選択肢であり、日本で起業して10年後に残っている会社はわずか5%しかないという事実です。
そうなれば、同じく一般企業でマネジメント経験を活かして、会社を買って社長になったほうが遥かにいいと推奨されています。
会社としては、そこまで大きくないのですが黒字経営であるにもかかわらず、後継者不在のために休廃業する優良中小企業はたくさんあるのが事実のようです。
ただし本の中身は胆力がないとできない内容もあるので、実際にできる人は限られているかもしれませんが、セカンドキャリアとしては興味深い選択肢の一つでもあります。
不動産屋になるという発想
不動産投資をされているのであれば、不動産会社を購入するという発想も一つの考えかと思います。大手の不動産会社ではなく、どの町に細々と経営を続けている高齢者が経営している不動産屋さんがあります。おそらく後継者がいない可能性が高いので購入の対象にしてみるのも一つです。
不動産会社を経営することにより、取引を自らできるという点もありますし、業者間での関係も深く作れることがあります。個人的にライフスタイルを参考にしている方で吉川英一さんという富山在住の不動産投資家がいらっしゃいます。
吉川さんの最近の本で「人生、楽に稼ぎたいなら不動産屋が一番!」には弁護士などの高収入と言われている士業より、不動産売買の仲介により手数料いただくほうが安定的に収入が得られると書かれており、非常に興味深い内容になっています。
また、先ほどの高齢者による不動産会社は、すでに黒字経営を数十年されているとかなりのメリットがあります。
法人化をされているまた検討されている不動産投資家なら理解できる部分かと思いますが、一般的に法人での融資は、黒字経営を3期分の実績が必要と言われています。
そのような点でも不動産会社を購入することは大きな価値があると思います。
現役サラリーマンは本業と副業をベースに収入の複線化を進めるのは良いと思います。定年後のセカンドキャリアとして、経験を活かして不動産会社を購入して、不動産投資を充実させていくのも一つの考え方だと思います。