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準備しない40代での「早期退職」は失敗する

早期退職

早期退職など上場企業の人員削減策は2019年には1万人を超えたとされています。とりわけ給与面でも優遇されていたバブル世代など50代を対象に行われています。定年退職年齢が視野に入った世代が対象になっています。

 

「退職金の増額」や「再雇用の斡旋」などの優遇条件を提案しつつ「早期退職勧奨(リストラ)」を進めています。

 

しかしその対象年齢が若年化しているのです。「早期退職勧奨」は約10年前にも同じような動きはありました。しかしその当時の退職勧奨の対象年齢は、おおむね50代半ば以降の社員です。

 

若年化し始めた「リストラ」

しかし最近の傾向として多くの企業が対象年齢が40代にまで広げている状況になりつつあります。下記の企業は一般社員を含めた40歳以上を対象にしているのです。

40代でのリストラ導入企業
  • ファミリーマート
  • 富士通(グループ会社含む)
  • 協和発酵キリン(グループ会社含む)
  • 東芝(グループ会社含む)
  • ノーリツ
  • アルペン
  • カシオ計算機

多くの企業が早期退職制度を導入している理由は何でしょうか。

 

「リストラ」を導入する理由

リストラは、リストラクチャリングという英語の略語です。英語では、「Restructuring」と書きます。「structuring」は「構築」という意味です。

 

最初の「re」は「再」という意味ですから「リストラクチャリング」は、「再構築」という意味になります。

 

何の再構築かというとそれは「事業の再構築」のことを示します。企業は事業の停滞な再成長を促す必要がある場合には「再構築」をしなくてはいけないのです。「リストラ」を実施することで企業の活性化を目指すのです。

事業の再構築とは
  • 不採算部門の事業縮小
  • 不採算部門の撤退
  • 事業の統廃合

事業の再構築を行うことで、成長事業や高収益事業へ経営資源を集中することをします。

 

ここで間違って解釈してはいけないのは「リストラ」は人員削減だけを意味する訳ではありません。

 

早期退職制度の利用者は増えている

早期退職制度はネガティブな要素も多いのですが、次の仕事がある人であればポジティブに利用する場合もあります。

 

特に最近の中高年の転職市場は盛り上がりつつあります。10数年前であれば「35歳転職限界説」がありましたが、一人における転職回数も増えていることから高年齢化し、ここ数年で3倍以上の市場に膨れ上がったとされています。

 

40代以上であれば通常の退職金でもそれなりの額になりますが、早期退職勧奨による退職金の増額には魅力を感じるのも無理はない話ですので利用希望者が増えていくかと思います。

 

「早期退職」は準備をしておかないと失敗する

通常のボーナスより多額の退職金が一括でもらえるとなると楽観的になりやすいのですが、本当に制度を利用していいかは事前の準備で納得しているかが重要になってきます。

 

同年代や自分の後輩が転職や独立で成功しているのであれば、「自分でも出来る」と思い、なおさら焦って会社を飛び出したくなる気持ちにもなります。しかし年代のことを考えると勢いで仕事をするのはリスクを伴います。

 

それではどのような準備をしておけばいいのでしょうか。最低限でも下記の3点は対応しておくべき内容です。

「早期退職の準備
  • 収入源を確保しておく
  • 生活資金を把握しておく
  • 人的ネットワークを構築する
  • 生活イメージをつくっておく

収入源を確保しておく

早期退職後に「仕事を就かずにしばらくのんびりする」という考えの人もいると思います。中には失業保険をもらってから再就職を考えている人がいるかもしれません。

 

長年勤めていたのであれば、一時の休息もわからなくもないですが収入源が途絶えることはリスクがあります。何かしらの収入を得る方法は事前に考えておかなくてはいけません。

 

すぐに転職先が見つかるとは限りませんので、退職する前の転職活動などの準備はしておかないと、生活が苦しい状況になる可能性があります。

 

また起業をするという人もいるかもしれませんが、これも無収入の状態からの始まりです。退職金を準備資金などに使ってしまう場合は、ほとんど「ゼロ」からのスタートだと思ったほうがよく、軌道に乗るまでは時間がかかります。

 

もし起業をするのであれば、現役時代から「副業」をするなどの経験を積んでおくべきだと思います。

 

生活資金を把握しておく

その際にある程度の貯金(生活費の6か月分など)があれば安心できますが、早期退職金を充てようとしてはいけません。

 

その計画性を防ぐには、事前に生活するために必要な金額を日頃から把握しておくことです。「10万円で生活できるのか」「30万円ないと生活ができない」のかを知っておくのです。

 

その金額がわかれば、先ほどの収入源の確保においても、どれくらいの仕事をすれば良いのか条件が明確になります。

 

人的ネットワークを構築する

会社が有名企業であればあるほど、人脈は作っておくべきです。退職してからは新たに人脈をつくるには「営業」するしかありません。

 

そうはいっても会社の看板がない状態での「営業」は大変です。SNSなどでネットワークをつくる人もいるかもしれませんが、実際に会わないと仕事が出来なかったりするので、手間がかかり思ったより効率的ではありません。

 

もし、早期退職をするのであれば、今の会社や取引先の人脈は作っておくべきだと思います。

 

生活イメージをつくっておく

総じての準備になりますが、早期退職後のイメージが出来ていない人は失敗する傾向にあります。直近の話ではなく、1年後、3年後、10年後をイメージしておくことが重要になります。

  • 「会社を退職してからの収入源は何か」
  • 「毎月どの程度の収入が得れるのか」
  • 「貯蓄はどれくらいあるのか」
  • 「貯蓄はいつどんなことに使うのか」
  • 「日々の生活を何をして過ごすのか」

 

このイメージができていない場合は、まだ「早期退職制度」には手を出さないほうが賢明です。

 

重要なのは「想像力」「行動力」「好奇心」

早期退職制度は多額の金銭と引き換えに、今まで安定していた生活ができなくなる可能性があります。

 

退職後の明確な方向性がないのは非常にリスクを伴います。特に楽観的性格が災いとなり情報軽視によって失敗をしてしまうことは非常にもったいないことです。

 

早期退職後の生活を準備するのに重要なのは「想像力」「行動力」「好奇心」です。

 

制度を利用するのであれば、最大限に効果を出せるように事前の準備が必要です。

 

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