「不動産投資でセミリタイヤをして夢の海外生活」といった景気の良いフレーズはあまり聞かなくなりました。
不動産投資自体が融資などで厳しくなっているということもあります。
それ以上に「海外生活」がそれほど居心地の良いものではないという方も増えているのです。
マレーシアへの海外移住生活は憧れ
海外生活となれば、年中温暖な気候に住みたいと思う人が多いです。
海外で有名な気候のよいリゾート地は、日本よりも物価が高く生活コストがかかります。
同じ温暖でも時差のない東南アジアは人気です。
「シンガポール」「インドネシア」「タイ」「フィリピン」など数多くの東南アジア諸国では、海外の人が住むやすいコンドミニアム(家具付きマンション)の建設ラッシュです。
中でも「マレーシア」は人気の高いエリアです。
隣国のシンガポールはすでに富裕層が住むエリアになっていますが「マレーシア」は生活コスト的にも住みやすいとされています。
マレーシアから離れる人も多い
知り合いにIT系の仕事をしながら、マレーシアに家族ごと移住した方がいます。
今でこそリモートワークが主流になってきた時代ですが、その方は個人事業主として自宅を仕事をしていました。
打ち合わせもWEB会議を使えば問題ないため、2年ほど前に移住をしました。
しかし、最近になって地元に戻ってきたのです。
理由は様々のようですが「マレーシア」にいるメリットが強く感じられなかったと言います。
海外生活で感じたギャップ
憧れの海外生活がイメージ通りのではないということは、往々にしてあります。
英語が上達しない
マレーシアに住んで感じたのは「思ったより英語を使うことがなく、上達しなかった」ということです。
元々自宅で仕事をするので、人との接点がありません。
食事や買い物で外に出るくらいです。それでは観光で使うような英語しか利用しないのです。
語学学校に行くことも考えたようですが、気候に恵まれてのんびり過ごすことをイメージしていたので、実際には通わなかったようです。
「海外に住めば、自然と英語は話せるようになる」ということは決してないとのことです。
生活費がそれほど安くない
マレーシアは隣国シンガポールと比較すれば、物価などの生活コストは安く済みます。
しかし実際には、日本でいるときと各段に生活コストが下がったという感じではないようです。
東南アジア全般に言えることかもしれませんが、国民の生活レベルが上がるとともに物価もあがります。
私も20年近く前にタイに旅行をしたときは、食事やマッサージの値段が安いことに驚いた記憶があります。
今では、そこまで安く感じることは少なくなったのでしょうか。
地元ローカルに適した生活であれば、そこまで値段が高くないのかもしれないと思います。
しかし日本と同じレベルでの生活を求めると日本と変わらない費用がかかるといった感じなのかもしれません。
何を求めて海外生活をするのかが重要
「海外生活をする」ということがゴールになってはいけません。
「海外生活で何をするのか」が必要です。
時間に追われずに「のんびりとゴルフ三昧」「海を見ながら読書」など悠々自適な目的もあれば、「起業をするため」「子どもの教育のため」という気持ちで海外移住をする人もいます。
日本ではないメリットを感じつつ、その地でしかできないこと明確にしないといけません。
目的なないなら期間を決めて移住をする
海外生活で目的がないのなら、せめて期間限定で移住をすることです。
永住するつもりであれば、その地域の文化や公用語(英語だけではない)を学ぶ気持ちのほうが生活がより充実すると思います。
そこまでの計画がないのであれば、1年~2年と期間を決めておくべきだと思います。
海外移住は簡単にできるものではありません。
引越しにかかるコストもかかります。各種手続きするための時間も必要です。
ましてやコロナ禍で海外移動も不便になりました。
「憧れだけを持っての海外生活」は慎重になったほうが良いと思います。