不動産投資という言葉を知ったのは、ここ数年くらいです。不動産投資の入門本と言われている「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだときも、不動産投資という言葉が記憶に残りませんでした。
不動産投資は、土地活用のため?
不動産投資というより、アパート経営のほうが先に気にするようになったのだと思います。有名タレントを使ったCMや新聞広告で「土地活用のためにアパート経営を」的な内容が流れているのを見て、不動産で収入を得ることを理解したと思います。
それも自分には縁のない話だという感じで、土地を持っている資産家か、一部の富裕層向けの商品だと思っていました。当時、あのようなCMを見て「よし!自分もやってみよう」とは思っておらず、メリットすら感じませんでした。
それもそのはず、内容が「相続のための節税」が主目的だったからです。キャッシュフローがとか、銀行融資がなどと言った今の不動産投資のスタイルではありませんでした。( 今でも自分事のように興味がないと、不動産投資を認識しない人は多いと思います。 )
ダイヤモンド・オンラインに興味深い記事がありました。
とりわけ地方で不動産投資を行う最大の目的は、相続税の節税だ。だが、アパートメーカーの営業マンの節税話法に踊らされて検討を始めたものの、家賃収入から経費を差っ引いた残りの現金収入や、減価償却費でいくら節税できるかぐらいしか、オーナー(地主)は関心を持たないのが実情だ。
引用:ダイヤモンド・オンライン
節税がメインの営業だったのです。現金収入は触れてはいるものの、やはりメインは資産となる土地有効活用になります。当時の広告を思い出すと初老のおじさんらしき人がオーナーで、自分のアパートの前で、孫らしき子どもと遊んでるイメージがありました。
今のサラリーマン大家のような30代〜40代ではなく、明らかに富裕層をターゲットでアパート収入による節税効果をアピールした商品だったのです。
キャッシュフロー重視になってしまった不動産投資
アパート経営が前提になっているのは、土地を売らずに長期での活用になります。売買することで得るキャピタルゲインが目的ではではないのです。バブル期の反省からか、家賃収入のインカムゲインも重視され、ハイブリッドな不動産投資が今のスタイルなのです。
相続を兼ねた節税モデルとセミリタイアのために多額の融資をひいてキャッシュフローを得るモデルとは大きく異なります。節税目的の場合は、土地がすでにある方が基本対象なので、多額の融資を必要としません。ある意味、今よりも健全だったかもしれません。
その分、客付けが難しい利回りが見込めないアパート経営だったかもしれません。サブリースはその点を解消できる画期的なサービスだったのでしょう。
節税かセミリタイアか立場によって目的が異なります。しかしながら、今の時代には振り切ることがリスクかもしれません。ほどほどに収入があり、ほどほどに節税効果があるハイブリッドな不動産投資が、結局長く続けていくことができるのではないかと思います。