コロナ経済対策で期待されるベーシックインカムとは

国内での新型コロナウイルスに対する経済対策の動きが国、自治体の間でも混迷な状態になっています。働いている環境や住んでいる場所によって得られる経済メリットが異なるからです。

政府が掲げている経済政策としての救済措置に関しては、国民全員が一律で恩恵を受けるものではありません。対象の有無に関しては様々な意見が出ています。

そのような不公正性がないように経済の立て直しができる施策として期待されている制度があります。それは「ベーシック・インカム（最低所得保障制度）」という制度です。

ベーシック・インカムとは

貧困や経済格差の拡大を背景に、ベーシックインカム制度導入についての議論が世界中で起こっています。実際に制度の試験的導入が進められている国や地域もあります。

ベーシック・インカムとは

ベーシック・インカムとは、basic（基本的）income（収入）
性別、年齢に関わらず、すべての国民に生きるのに必要な最低限の金額を支給するという制度

すでに導入している地域では一定の効果があるとされており、次世代の経済政策として期待されている内容です。

日本の社会保障制度では、憲法で保障されている「最低限度の生活」を送れるために、所得がないもしくは少ない人を支える仕組みが用意されています。

日本の社会保障制度

しかし、これらの給付は審査などがあり満額で額を受給できなかったり、支給されなかったりする場合あります。

「ベーシックインカム」は誰でもいつでも受けられる公的扶助制度となり、導入しようとする動きが世界中で注目されています。

ベーシック・インカムが導入する背景として「貧困や経済格差が拡大」が挙げられますが、最近ではAI（人工知能）の普及により人間の仕事がどんどん奪われてゆく可能性があることから導入の検討 が議論されています。

AIにより経済が維持できるのであれば多くの失業者がでる可能性があります。その際に個別の所得審査などが必要ないベーシックインカムを導入したほうが効率的であると考えられています。

ベーシック・インカムの導入メリット

ベーシック・インカムは生活保障の意味合いが大きいのですが、ベーシックインカムが得られることで仕事の幅が広がるとされています。所得に関係なく価値を置いている仕事や活動に力を注げることがメリットのひとつにあげられます。

所得に縛られずに本業に注力できるという意味では副業と同じメリットが受けられます。個々ライフスタイルの多様化が期待でき、生活の満足度も上がるとも言われています。

生活に最低限のお金が誰でももらえるとなると単純に「働かなくなるのでは？」という疑問が生じてきます。モラル的な問題とそれを支える財源の確保が課題になります。

○○についてのデメリット

やはり財源の出所を確保しなければ、支給額も決まらないことになります。ベーシック・インカムを導入することは従来の社会保障制度を止める必要も出てきます。

国として財政がプラスにすることが必要なだけに導入までは慎重が議論が必要とされています。

すべての国民に導入することは難しいかもしれません。段階的に導入していくことが現実的なのではないかと思います。

まったく勤労意欲のない方々にお金をばらまくことは、財政を破綻しかねません。

例えば納税の義務を果たしている人（確定申告をしている人）には月5万や10万円の税金を控除する形で還元することで実現できるかもしれません。

今回の新型コロナウイルス感染拡大により人が幸せに暮らすためには、どのようなことが必要なのかを問題提起されたようにも感じます。

生活様式、価値観すべてにおいて個々にリセットする機会なのかもしれません。既成概念にとらわれずに判断していくことが求められる時代になりつつあります。