成長戦略のために地銀再編が加速
地方銀行再編への動きが加速しそうです。経営状況が厳しい地方銀行ですが、昨日、政府が独占禁止法の特例法を定めて、地域での貸し出しシェアが高まる場合でも経営統合を認める方針を出しました。
政府は5日、成長戦略を議論する未来投資会議(議長・安倍晋三首相)を開き、2019年の実行計画案を示した。
地方活性化や雇用改革を柱にし、経営が厳しい地方銀行は10年間で集中的に再編を促す方針を盛り込んだ。
引用:日本経済新聞
存続できるのは地銀は2割か
地方の人口減少や超低金利が進み地方銀行の収益力が低下していく傾向は避けられず、金融庁が統合審査を主導し再編を推進する形をとります。
地方銀行は都道府県内に店舗網があり、人口が減少傾向にある県では同一県内の金融機関が共存していくことが難しいという状況は避けられなくなってきています。
金融庁による有識者会議が昨年4月に公表した試算によると、同じ都道府県内に複数行が存続できる地域は東京都を除き10府県になるとされているので、以下に厳しい状況かということがわかります。
地方銀行8割は収益悪化
さらに地方銀行を厳しくさせてつつあるのは、不良債権問題が再発しているようです。
全地銀と第二地銀・グループ87社の2019年3月期決算では、融資先企業の貸し倒れなどに備えた与信関係の費用が前期比3.1倍となる計約3300億円に拡大。
全体の8割近くに当たる66社で与信関係の収支が悪化しています。
全地銀と第二地銀・グループ87社の2019年3月期決算では、融資先企業の貸し倒れなどに備えた与信関係の費用が前期比3.1倍となる計約3300億円に拡大。
全体の8割近くに当たる66社で与信関係の収支が悪化した。景気減速による企業業績の悪化も懸念されており、地銀経営は一段と厳しい状況となりそうだ。
引用:時事ドットコムニュース
生き残りには大胆な改革が必要
店舗を多く持つ地方銀行であれば、地元では一等地の不動産を持っているのではないでしょうか。
店舗自体が急速に閉鎖していくのであれば、賃貸にして商業施設に変えて新たな収益を図るなどの大胆な改革もあっても良いかと思います。
銀行法の関係で金融以外の仕事はできないということになっているようですが、衰退し破綻していく前に手段を選ばずに新しいビジネスモデルに取り組んでいくべきかと思います。
不動産投資における地方銀行の役割は非常に大きいです。都市銀行にはないサービスメリットがあります。
再編することにより各金融機関の独自性がなくなり、都市銀行のような融資も厳しい状況になってしまうことを懸念します。