東京都では5月6日までの「ステイホーム週間」が始まりました。都内近郊のスポットも人が激減しているようです。
先週末のニュース映像を見る限りでは、戸越銀座や巣鴨、吉祥寺などの商店街の人は通常以上に混みあっており、外出自粛ができているとはいえない状況でした。
さらに東京都では商店街単位で補助をすると発表しました。
東京都内には大小さまざまな商店街が存在します。加盟店が100以上の商店街が対象ではありますが、5月6日までの土日で一斉休業をすれば一日50万円を補助するとのことです。
全ての日に対策を講じれば最大で400万円受け取れる計算です。しかし期間中にポスターやホームページでの告知や、巡回による休業状況の確認などの条件もあります。
これらの実施でも感染者の勢いが止まらないのであれば、さらに制限が厳しくしていくしかありません。
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の条件とは
新型コロナウイルス感染拡大防止のために休業せざるを得ない中小企業向けに運転資金を前提とした利用条件が優遇された融資が実施されています。
政府系金融機関である「日本政策金融公庫」が取り扱っている「新型コロナウイルス感染症特別貸付」です。
- 直近1カ月の売上高が5%以上減少した事業者
- 限度額は6000万円
- 当初3年間は基準金利(1.36%~1.55%)から0.9%の引き下げ
- 返済期間は設備資金が15年以内、運転資金が20年以内
- 5年以内の据え置きが可能
- その間は元本返済の負担がない
さらに売上高の減少率が大きいなど一定の要件を満たせば、利子補給によって当初3年間は3000万円まで実質的に無利子となっています。
運転資金に悩む多くの事業者からの問い合わせが増加しているようです。
不動産投資での利用はリスクが高い
日本政策金融公庫は不動産投資においても融資が受けることができる金融機関でもあります。
不動産投資ということではなく「不動産賃貸業」ということで事業化されているのであれば融資対象として審査を受けることができるのです。
融資を受けるには一般の銀行と同じく金融資産背景や返済能力などの属性を重視しています。
しかしこの緊急融資は人件費やテナント代など固定費が大きい事業者が対象になります。不動産投資には合致していない条件です。
それでも不動産投資の融資として申請をする人もいるようです。しかしこれは「目的違い」の融資承認を得ようとする行為です。
申請者からすれば不動産賃貸事業として行っていると主張するかもしれませんが、今回の主旨を考えれば飲食店や小売店含めた中小企業に使ってもらうべきではないかと思います。
また目的違いであれば「フラット35」を悪用した不動産投資と同じ行為となります。場合によっては一括返済のリスクも出てきます。
お金を借りれるから行う不動産投資は時代遅れ
数年前の不動産投資は「お金を借りれるだけ借りる」的な発想の不動産投資が主流でした。
金融機関も融資額が成績に繋がるので、不動産会社と結託して貸し出していた時代もあります。
その競争が激化し不正融資に繋がってしまったことで、不動産投資に負のイメージを作ってしまいました。
現在、不動産価格も安定し始めているので購入したい投資家も増えてきました。
すでに今回のコロナ関連の融資で借りることができたなどの自慢げなSNSが目立つようになってきました。
不動産投資は物件を増やすことで安定するのは確実です。私も短期間で増やすことを実施しましたが、しかし単に増やすことで返済リスクが増えることを感じています。
このようなコロナ不景気の状況下でも増やさないといけない不動産投資家は「単純に不動産投資を拡張することをゲーム化しているか」「本当に増やさないとキャッシュフローが回らない状況」のどちらかと考えます。
お金を借りれるから行う不動産投資は時代遅れの考えではないかと思います。
確実の不動産の返済を返して資産化し、少額でも安定したキャッシュフローを得ることができることが先決だと思います。