今の不動産投資は逆風のイメージしかない
不動産投資において「かぼちゃの馬車」と「スルガ銀行」の不正融資から始まり「TATERU」「レオパレス」「ケリーバックス」と東証一部上場企業からそれほど一般的には知られていない会社までが不祥事により一気に全国知名度になり、業界全体が逆風になっています。
本来であればミドルリスク、ミドルリターンで手堅い投資の手法なのに良いイメージが一切ありません。今、不動産投資の現場では何が起こっているのでしょうか。
継続できない不動産会社が続出している
昨年の金融機関の引き締めにより、今まで円満に営業活動ができていた不動産会社が次々と廃業をしています。その中でも生き残りをかけて「中古RC一棟」専門の会社が「新築ワンルームマンション」の代理店になったり業態変更を余儀なくされています。
営業担当も会社として見切りをつけて独立したり、名前を変えたりして同じ業界に居続けているのも事実ですが、ベンチャー的な不動産販売業者や物件に関してが選定力がない業者は自然といなくなっていると思います。
一番の悲劇は、その業者で購入したオーナーです。今後の購入についてもコンサルティングを受けていた場合もあるのですが、完全にハシゴを外された感じになっています。誰にも相談できずにキャッシュフローも出ない物件の返済をし続ける状況になっている方も出てきています。
金融機関の融資が受けられない
金融機関としてもお金をどう貸し出すかが事業の生業です。個人でも多額の融資ができるアパートローン関連は格好の商品だったのは事実です。しかし「買った後にどうなるか」は想定していなかったと思います。
業者の甘いシミュレーションの元に収支を弾き出したものの、やはり上手くいかなくなった物件が多くあったのかと思われます。私もにヒアリングという形で現在の収支に関して金融機関からの電話がありましたが、金融機関の現オーナーに対して収支が上手くいっているのかの調査が続くものと思われます。
個人に融資ができないということは契約ができないということです。それだけ不動産投資会社やコンサルティング会社に売上が上がらないということになります。物件選定力や企画力がなく、融資付だけで勝負してきた不動産会社は淘汰されていくのは自然な流れだと思います。
不動産関連の関係者からは「市場が健全化する方向に期待する」という意見を聞きます。それほど有象無象の業者が乱立していたことを意味していると思います。「不動産投資ブーム」に乗っかり一気に急成長してきたイケイケの会社は、今が普通の状態だと認識する必要があるのかもしれません。
10年以上続けている不動産会社に聞く
今から不動産投資をするのであれば、少なくも10年以上続けている会社のセミナーなどに参加して意見を聞くことが良いかと思います。リーマンショック後にどういう状況の中で会社を続けた(もしくは立ち上げたのか)を理解すると今後の展望のヒントになるかもしれません。
不動産投資は一定のサイクルがあるとも言われていますので、今が最悪なのか、それでも良い状態なのかは、業界を知る人から聞くのも大事かと思います。新興の営業会社であれば、融資がつく間は「買い続けましょう」と言い続けるかもしれません。
私が懇意にしているある不動産会社の営業の方で、もともと不動産投資をされて転職された経歴の方がいます。その方は営業の管理職でありながら「今は無理して買わなくていい」とアドバイスを受けます。
営業職としてはあり得ない発言かもしれませんが、相手のこと考えて上の発言をされる方なので、周囲からも何かと相談しやすい信頼されているようです。不動産投資は一人ではできる訳ではありません。今はインプットする時期なのかと思います。