コロナ禍の影響で事業を縮小せざる得ない企業の動向が連日報道されています。
事業を縮小となると関連する人員の整理をしなくてはいけなくなります。企業によっては早期退職を募集する動きも出てきます。
アパート会社大手である株式会社レオパレス21も1000人規模での早期退職を検討し始めました。
レオパレスの赤字による早期退職制度
賃貸アパート大手のレオパレス21が、千人規模の希望退職者の募集を検討していることが3日、分かった。
アパートの施工不良問題で入居率が低迷し、業績が悪化しているため。2020年3月期連結決算の純損益は304億円の赤字と想定していたが、赤字幅が拡大する見込み。4日にも業績予想の下方修正を発表するとみられる。
引用:共同通信
19年12月末時点の社員数は単体で5985人となっていたので、1,000人規模の希望退職となると全体の15%超に当たります。
19年3月期の純損益は686億円の赤字だった。2期連続の赤字となり、経営再建の先行きは不透明感が増していて、多くのスポンサー企業への支援も求めているようです。
施工不良アパートは改善されず
レオパレスの経営を直撃したのは、昨年からの施工不良アパートです。
アパート自体は、家電もついているので急な引越しでお金も出せない人にとっては条件のよいアパートです。
しかし壁が薄すぎて隣の住人の話声は筒抜けという仕様で評判も良くありませんでした。隣の部屋のエアコンがリモコンで反応するなどの「レオパレス伝説」が出たほどです。
また建設したアパートが防火上の問題にある施工不良が大半だったことから、安全面でも受け入れられない状況になりました。
直近の状況でも対象アパートの数の多さと今回のコロナ禍の影響により計画通りの補修工事が進まず、先行きがまったく見えません状態でした。
派遣社員向けのアパートも今後は不安定
レオパレスは法人契約としての強みがありました。
地方の工場などで働く社員向けの寮としても活用されていたのです。多くは派遣社員とされていると言われています。
今回のコロナ禍で事業を縮小するとなると、地方の労働者も働き場も縮小していく可能性も出てきます。そうなれば入居者も安定していきません。
早期退職者による管理体制不安
レオパレスの早期退職者の中には、アパート管理業務担当や営業担当も多く含まれていくと思います。
そうなれば、既存の管理体制にも大きく影響でてくると予想されます。
アパート管理戸数が変わらないのに、管理する人数が減れば一人当たりの管理戸数も増えていきます。
通常では問題なく対応できたことも、時間もかかり品質的にも低下することになるでしょう。
不動産投資を安定して継続する重要な要素として「管理体制」があります。
この管理体制が不安定になれば、レオパレスのアパートで不動産投資をしているオーナーからすれば、さらに不安さが増していきます。
「サテライトオフィス」や「倉庫」に業態変更
不動産投資である単身者向けのアパートということを続けていくことは、さらに困難になると予想されます。
民泊に変えるにもインバウンドでの来日客も期待できません。
今、可能性があるとすれば、テレワーク向けのサテライトオフォスか、レンタルスペースとしての倉庫などに業態を変更することが考えられます。
これらの業態もロケーションによっては、ビジネスにならない場合もあるので、ニーズを理解したうえでの変更が必要になります。
あわせて読みたい

