大型マンションで話題の「HARUMI FLAG」が一番人気のエリアとされている「SUN VILLAGE」事前案内会を開始しました。エリアに関しては賛否両論ですが湾岸部のマンションとはいえ、値段が安いということもあり人気を呼びそうです。
「HARUMI FLAG」は選手村として使用した宿泊施設を改修し、さらにタワマンを2棟新たに建てて一般用住宅に作り替える。分譲と賃貸あわせて5632戸、1万5000人規模の住宅街が誕生するので国家プロジェクト並の規模となっています。
タワマンを含めて湾岸部に関しては、どのような層が購入しているのでしょうか。IT系ベンチャー企業の社長や外資系など若くして成功した人か外国の富裕層が投資て目的で購入しているイメージがあります。
しかし昔からのお金持ちと呼ばれる「富裕層」の方々はこのような土地には見向きもしません。
富裕層が不動産を購入するエリア
「富裕層(本当のお金持ち)」は都心で一体はどんな家を買うのでしょうか。
やはり豊洲を始めとした湾岸部や武蔵小杉のような新興住宅地でのタワーマンションではありません。やはり昔ながらの富裕層が多く住む土地を好んで選びます。
- 落ち着きのある
- 上品である
- 整理されている
基本的には江戸幕府時代の各藩が住んでいた土地を好むと言われています。その土地は大体地盤がよく主要道路にも近い落ち着いた場所が多いのです。
- 番町
- 麹町
- 高輪
- 本駒込
- 本郷
- 青山
- 代々木上原
- 松濤
- 広尾
- 表参道
- 代官山
街の名前を並べてみるとおよそタワマンが立ちそうなエリアではありません。どちらかというと低層マンションか邸宅が立ち並ぶエリアではないでしょうか。
タワマンを選ばないのは理由は「品質」
最新のマンションはファサードから共有設備に至るまで開放的であり、若い世代には人気のあるデザインで仕上がっています。
しかし富裕層はその点を考慮しません。実際に使っている素材や仕様面などマンション全体の「品質」が高いものを選びます。
富裕層は実際に住むマンションの居室の仕様にこだわります。しかし最近のマンションは仕様面があまり高くありません。土地代や建設費の高騰もあり価格に見合う設定するならば仕様を下げるしかないのです。
最新のIT設備なども兼ね備えているので高級感もあるように見えますが、グレードダウンにより防音性がなくなったマンションもあり、築20〜30年のマンションと比較すると「品質」が下がっていると言われています。
それではお金持ちはどのようなマンションを購入するのでしょうか。
お金持ちがマンションを選ぶのは、流行りのタワマンではなく「ヴィンテージマンション」なのです。
ヴィンテージマンションとは
ヴィンテージマンションは聞き慣れない言葉かもしれませんが、不動産業界では高価格で流通されています。名前の通り価値の高いマンションなので、頻度高く売買されるものではありません。
都内での一等地に贅を尽くした物件として評価を受けているマンションです。築年数も古く経っていても価値が全く下がらないマンションを「ヴィンテージマンション」と呼びます。
- 古さを感じさせない斬新な設計デザイン
- 良質なコミュニティがある
- 戸数が多くない
- 低層マンションである(タワマンのような高層階はない)
- 土地の広大である
- 管理の良い
- 質の良い素材や今では作れない特注建材を利用
- 植栽などが手入れされてる
- 坪単価が下がらない
魅力的なエリアや建物だけでなく、長い年月を経て上品な住民同士のコミュニティと共に成長してきた価値のあるマンション です。
不動産専門の調査会社「東京カンテイ」では、ヴィンテージマンションの条件として「築10年以上」「平均専有面積90平方メートル以上」「坪300万円以上」 と設定しています。売買としては基本は億単位のマンションになります。
当然、タワマンにも一等地であれば億単位の物件も存在しますが、ヴィンテージマンションは管理、住民もセットになっての価値になるところなので、築数年では到底醸し出せない価値のマンションです。
ヴィンテージマンションの代表格は「広尾ガーデンヒルズ」
東京のビンテージマンションの代表格とされるのが「広尾ガーデンヒルズ」です。築30年以上経過しているのですが、その存在感は圧倒的とも言われています。
名高い緑豊かな広尾ガーデンヒルズは、語り継がれるにふさわしい邸宅の価値を持っています。
広尾の高台にある広尾ガーデンヒルズは、住民が主体的な管理者となり落ち着いた住環境の整備・保全が行われています。
東京都心で、約70,000㎡という広大で緑豊かな敷地に配された全15棟のマンションから成り立っています。
お金持ちが選ぶマンションには軸がある
お金持ちが選ぶマンションにはブレない基準となる軸があります。流行り廃りに関係なく土地から選ぶ傾向があります。
その土地だからこそ住んでいる人同士のコミュニティがあり、生活が出来上がっているのです。 住みたい街ランキングだから人気があるから価値が下がらないという判断ではなさそうです。
この点は、一般の人も見習うべき点かもしれません。現に昨年までは話題であった武蔵小杉も台風被害により周囲からの評価が下がってしまいました。
もともと土地自体が水源の多い沼地であり、大規模な工場跡地であったこともあり、タワマン開発で急激に価値を上げきってしまった感じです。土地は過去から遡って鑑みた上で評価されるべきかもしれません。
昔から東京を知る人から「二子玉川」ですら昔は「田舎だった」と聞いたことがあります。しかし今の二子玉川は都内の人も憧れる高級住宅地になっています。
数十年かけてでも街は発展し成長をしていくことは良いことです。一方で確固たる価値のあるエリアは揺るぐことなく「上品さ」を維持していくことも大事です。
タワマンだけが悪いわけではないですが、不必要な土地開発により急激に値段が上がることで不動産価値が混乱しないようにしないといけません。