TATERU名義の土地が流通している
年末が押し迫っているころ、12月27日までに「TATERU」が西京銀行との一連の不正融資に関して、「特別調査委員会」から、平成30年12月27日(木)までに調査結果を取りまとめた報告書を同社に提出する予定になっています。
アパート関連会社はもちろんのこと不動産投資業界にも影響を及ぼす可能性が大きいので注目が集まると思います。
上場企業だからなのか株価の影響が最小限にするために、大納会前日に設定したような印象があります。
それだけ影響が大きいのではと予想されます。
先週末に不動産関係者に話を聞いたところ、秋口から「TATERU」が所有していると思われれる土地が流通しまくっているようです。
同じアパート関連を企画している会社の話では、不動産仲介会社から売り込みがあり、売り主を調べてみると「TATERU」の名前があったようです。
土地を売らなくてはいけない事情
完成したアパートが不良在庫化しているのは、決算説明資料からも想像ができていましたが「土地」までもが対象になっているとは思ってもいませんでした。
アパート会社含めて一番大変なのは「土地の仕入れ」と聞きます。土地の評価によって物件の価値が決まると言っても過言ではないようです。
土地を仕入れるために地道に地元の不動産業者に営業するのが基本のようです。
それだけ苦労して仕入れた土地でなのに「TATERU」は売却してでも現金化しないといけない状況に追い込まれていると推測されます。
不動産関係者の話ですと数十億円分の土地を仕入れてしまっているのではないかと思います。
融資が付かないので売れなくなった「TATERU」のアパートですから、相応の評価のある土地だと思っていたのです。
しかし不動産関係者の話では「まったく評価に値しない土地」「利回りに見合わない土地」と酷評を受けているようです。
通常、業者でも買わない土地を「TATERU」は大量に仕入れを積極的に行っていたようです。当然業界関係者もその土地を購入するわけがありません。
それでも「TATERU」ブランドで洗練されたデザインや流行りの「IoT」入れることでエンドユーザーには売れていたようです。
仕入れの収支を合わせるためにも「TATERU」はその付加価値を武器に他社と比較しても建築費や諸経費が高くなる傾向があったようです。
TATERUの仕入れた土地にランクがあった
数年前で上場する前の情報ですが「TATERU」営業に土地仕入れのリストを見たことがある人に聞いた話では土地のランクに「A・B・C」が設定されていました。
「C」ランクはおよそ住宅地でもない土地を仕入れて販売していたようです。(営業のために何げなくリストを見せたのだと思いますが、上場する前とはいえコンプライアンスが機能していなかったと思われます。)
いずれにしても「TATERU」は焦っているのだと思います。
公式ホームページもIR情報以外は更新されていません。
株価も今年の4月に2,549円の高値から一気に下がり12月21日現在で325円と年初来安値になっています。
もし不正融資が確定したら、かぼちゃの馬車同様に訴訟の嵐になるかもしれません。
そうなると本業どころではない事態になりかねません。
それだけ12月27日は非常に重要な日になってきました。
TATERUの復活はあるのか
今回の一連の不正融資による融資ができなくなっている状況で、新規での受注は見込めません。
アパート経営の大手である「レオパレス」や「大東建託」などはサブリースを駆使した利益ビジネスをしています。
数十万戸のアパートを持っていれば成立するかもしれませんが、TATERUのような新興アパート会社ではアパート数も少なく、既存のアパート管理だけでの運営だけでは到底事業としては成り立ちません。
クラウドファンディングなど新たな道筋があったものの今回の不祥事でイメージダウンは避けられない状況です。以前のような勢いで復活する道は相当厳しいと思われます。