スルガ銀行の弁護士が次々と辞めていく事情

退職する弁護士

退職する弁護士

 

スルガ銀行が、年内の「不動産投資」の融資は行わないと発表しました。当然といえば仕方ないですが、さらなる影響範囲が広がる可能性がでてきます。

さらに、東洋経済ONLINEでは、衝撃的な記事が上がっていました。

 

9月7日に第三者委員会報告書が提出され、スルガ銀行の岡野光喜会長ら役員5名が辞任し、経営陣が一新された。これを理由に、スルガ銀行側の代理人である複数の弁護士が辞任を申し出た。

 

すでに経営層は責任をもって辞めるのは、対外的にはわかりますが、一番恐れるのは前面に立っている現場の関係者が次々に辞めていくことです。

 

「スルガ銀行・スマートデイズ被害」との交渉を続けていたのにも関わらず、経営層が一新したことで事情が変わったと書かれています。

 

普通の安定した会社であれば、一定の退職者は当然出てきます。ただし責任のある人、先頭を切って動かなくてはいけない人が、連続で退社していくのは会社自体が非常に危険な状態を察知している証拠です。

 

私も新興ITベンチャーに転職をしたときは、毎月のように名だたる企業(銀行や広告代理店、コンサルティング会社など)の中途入社していました。非常に勢いのある感じで会社の成長を楽しみにしていましたが、ある日、そのメンバーが一気に退社をしていきました。

 

役員クラスが手のひらを返したかのように辞めていくのです。他人事のように見ていましたが、今考えると身売り覚悟での創業以来のピンチの状態だったようです。

 

スルガ銀行のように報道されるレベルではなかったですが、今回の弁護士(おそらく幹部社員も辞めているでしょう)が退社することは、内情が想像以上ひどい状況になっているのだと思います。

 

すでに「スルガ銀行」の株価水準は、15年前に戻っています。不正発覚前のような「不動産融資」のある意味立役者だった「スルガ銀行」に戻ることはもうできないかと思われます。

 

 

不動産投資本来の価値が試される

 

「不動産投資の融資」の象徴的な銀行の一つだっただけに、さらなる余波は続きそうです。すでに他の銀行でも「不動産融資」を引き締めており、融資の貸し渋りが始まっています。

 

「不動産投資」を主な生業にしている不動産会社(不動産コンサルティング)は廃業に追い込まれています。そうなると新規での不動産投資に参入できるサラリーマンが減っていくことが予想されます。

 

不動産投資をされている方の話では「やっと正常化してきたのかもしれない。今までが異常な融資状況だった。新興の不動産投資会社が整理されていくと思う」と言っていました。

 

さらに「しかしこれからが正念場になる。周囲の不動産投資の評価も厳しくなるし、融資乱発による利回りに合わない不動産投資物件が世にあふれることで、投資価値が減っていくことは避けたい」ともおっしゃっています。

 

ここ半年で正常化された「不動産投資」が再び盛り上がるのか、衰退していくのか、今後のアパート経営を続けていくうえで注意してみていきたいと思います。