TATERU株価が、一時30%と急伸
ここ最近目立った動きのなかったアパート大手会社のTATERUですが、本日の株価で妙な動きになりました。開始価格は219円と状況からお昼頃には281円まで高騰し、その後急落して終値は253円に落ち着いています。それでも前日比の17.3%高になります。
(13時55分、コード1435)アパート開発のTATERUが急伸している。午後に一時、前週末比65円(30.1%)高の281円をつけた。売買高は750万株余りと前週末の6倍近くに膨らんでいる。大きく売り込まれた問題企業の自律反発を狙ったマネーゲーム感覚の買いが集まっている。
施工不良問題で株価が急落していたレオパレス(8848)が旧村上ファンド系の投資会社の買い増しなどをきっかけに連日で急伸している。
引用:日本経済新聞
市場の評価ではTATERUの事業環境は引き続き厳しいのは変わりはありません。先日の2020年12月期第1四半期(1-3月)決算を発表では、四半期純利益は60億4500万円の赤字(前年同期は4億3300万円の黒字)としています。
主力のアパートプラットフォーム事業で営業活動を自粛した影響から、連結売上高は46億6300万円(前年同期比68.2%減)と前年同期から約7割減少しており、減収や販売用不動産の一括売却による損失計上が影響されているので、株価を上げる要因がありません。
レオパレスと同様の値上がり期待か
社員の顧客資料改ざん問題で株価が大きく下落していたTATERUですが、ここ数週間、投資会社レノによる大量保有の動きによりレオパレス株の急騰している影響かもしれませんが、次の投資先として同業種であるTATERUが標的にされているのかもしれません。
これはいわゆる低位株を狙った投機的な買いになっているので、マネーゲーム化されたことで値動きを大きくしている可能性が高くなります。残念ながら良いニュースが出た結果ではありませんでした。
マネーゲームになりやすい銘柄
投機的なマネーゲームは、売買による利ざやを大きく取ることを目的に、リスクが高い銘柄(企業)の株をあえて買うことです。ハイリスク・ハイリターンを狙うのです。マネーゲームの対象になりやすい銘柄は下記のような特徴があります。
1.急落した銘柄
倒産や上場廃止に繋がる危険性が高い事件や事故などが起きた企業の株を買うという取引です。今回のTATERUやレオパレスの株価急騰が該当するのかと思います。
2.監理ポストの銘柄
証券取引所により「上場廃止の恐れがある」と指定された企業です。こういった企業の株価も当然急落します。上場廃止が回避された時に、再び株価が上がったとき売り利ざやで儲けるといった目的で取引をします。
3.整理ポストの銘柄
「整理ポストの銘柄」とは、証券取引所により「上場廃止が決定」と指定された企業です。これが決まると、原則的に1カ月以内に上場が廃止されるので、株価は急降下して限りなく1円に近づきます。
何れにしても初心者が参加するにはリスクが高い投資ですので、必然と資金を豊富に持っている投資家が活発に取引を行なう傾向にあります。
ここ最近の株式市場は動きが少なかっただけに、相場全体の材料を求めて意図的に開始したのではないかと思います。
TATERU 本格営業再開は6月か
スルガ銀行も資用不動産融資を再開するのが5月下旬と発表しており、前のような状況には戻らないまでも、少しづつではありますが不動産投資の環境は戻そうという動きがあります。
TATERUも6月に営業再開と事業計画が発表されるという話も聞きますが、これに向けて株価反応しているのなら希望が持てますが、現場では復活に向けては中々難しい状況のように推測されます。
不動産投資を正常化できる事業計画を準備しているのであれば、なんとかこの局面を踏ん張っていただきたいと思います。