住宅ローン「フラット35」の業界最大手「アルヒ(ARUHI)」が投資用マンションの仲介案件を全て停止することを発表しました。
一連の不正融資は氷山の一角とも言われていますが、この措置により新築ワンルームマンションなどの投資用マンションへの融資が一段と厳しくなると予想します。
不正融資の事実がわからない状態
投資用マンションの仲介案件で審査書類の改ざんが発覚したアルヒは、社内調査を行ってきました。
しかしアルヒやフランチャイズ店の担当者による書類の改ざん・指南の事実は確認されていないとう発表でした。
書類改ざんに関する社内調査内容は以下のものでした。
- 関係者への聞き取り
- 不動産業者とアルヒの担当者の電話やメールの確認
- 不動産業者から受け取った書類の確認
- 融資する信販大手アプラスに審査用に送った書類の確認
内容からして社内調査にとどまっているような感じです。第三者による調査をしているわけではありません。
実際に悪用して購入されている事実があるのにも関わらず発表なので本当に徹底的に調査をしたのか信用して良いのか疑わしい内容です。
そして「不適切なことをしようとする人がいる市場に会社の経営資源を割くべきでない 」と判断したというから驚きです。
結局はうやむやのまま誰も処罰が起きるわけでもなく事態を収束させている感が否めません。
アルヒは東証一部上場企業です。業界を混乱することなくコンプライアンス機能は正常に動いているでしょうか。いずれにしても本日の株価は荒れそうです。
「住宅ローンに集中」と話題のすり替え
すでにアルヒは1月下旬から投資用マンション向け融資の取り扱いをとめているとしています。
今回の発表を機に完全に撤退し本業の住宅ローン事業に集中するとしていますが、話題をすり替えている感じがします。
本当に投資用マンションから撤退できるのでしょうか。フランチャイズ店舗が対象となっていますが、統制が取れるのかは具体的な対策案を見てからだと思います。
また融資を担当するアプラスにも問題があります。本来の融資手続きから逸脱していたことは事実です。
新築ワンルームマンションなどの投資用物件価格が担保評価を大きく上回る場合でも、高金利の商品を組み合わせて満額融資を実行していたという報道もあります。
不動産会社の自業自得
今回の一連の不祥事は不動産会社が商品を売りたい一心で貴重な融資元となる金融機関を失うことになりました。まさに自業自得の状態です。
住宅ローンを使って投資用不動産を購入すること自体が違法行為です。加えて融資審査に必要な書類の改ざんは言語道断です。
すでにスルガ銀行の不正融資を発覚していたのにも関わらず自制機能が働かなかったのでしょうか。
この不正融資により悪徳な不動産会社が退場することで強制的に不当な投資用不動産を購入されてしまった被害者が今後出てこないことを願います。
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