横長タイプのアパートは安定運用が難しい

部屋数を優先してしまった新築アパートの今後

不動産投資をアパートで始めるときには、物件を選ぶ際に利回りやキャッシュフローで判断しがちですが、実際にはその建物の作りをじっくり検討するべきです。

建物の作りによっては、入居者が安定的に入らない場合もあるからです。

横長敷地での羊かん型アパートは競争力がない

特にアパートはオーソドックスなつくりの建物が多いです。

横長の敷地に対して、同じ間取りの部屋が並んで設計されていることが多いと思います。

どこから切っても同じ形なので、このようなアパートは「羊かん型アパート」とも呼ばれています。

2階建てであれば部屋の両側(もしくは片側)に外階段があり、上下階が同じ間取りです。

これらのアパートは、どこにでもある間取りで安定感がありそうですが、競争力がありません。

なぜこのようなアパートが多いのか

これらの羊かん型アパートは、中古のみならず新築の建売アパートでもよく見受けられる間取りです。

外壁のデザインなどを凝ったものでも、間取り自体はオーソドックスだったりするのです。

なぜこのようなアパートが多いのかは様々な理由があります。

土地を有効的に利用する際に、部屋数を一番多くとれる間取りでもあります。

部屋数を多くすることができれば、そのまま家賃収入に直結します。

購入するオーナーからすれば、同じ土地面積であれば家賃が多いほうが嬉しいに決まっています。

羊かん型アパートは建築費を抑えるための間取り

しかし売る側の立場からすれば、「建築費」を抑えることができる間取りであるともいえます。

部屋が隣接しているので、中央の部屋の壁は共有することができるのです。

そうすることで建築費を抑えることができます。

しかし、防音性などにはデメリットがあります。隣の音が否が応でも聞こえてしまうのです。

施工不良アパートで有名になってしまったレオパレスが建築したアパートは、まさにこの間取りの典型パターンです。

防音性、快適性があるアパートの差別化になる

やはり隣の部屋の音が聞こえないほうが煩わしくありません。

住民にとってもプライバシーが守られて安心して暮らすことができます。

隣人同士のトラブルも避けることができます。

トラブルがなく快適に過ごせるのであれば、長期的に居住してくれる可能性が高くなります。

アパートとしての差別化のポイントになるので、安定運用が期待できます。

利回りだけで判断してはいけないポイント

「利回りが良い」「土地値物件だから」など条件から不動産投資を始める人は多いと思います。

しかし実際にはアパート経営をしてからがポイントになります。

空室続きのアパートを持っていれば、購入当初の「利回り」の数値は参考になりません。

いかに安定して運用できるかは総合的な判断が必要です。

とくに住んでいただく人が快適に過ごせるかは重要な視点です。

数値だけでアパート物件を判断するのはリスクの高いことだと思います。

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