不動産投資の新築アパート分野では最大手として「シノケン」が有名だと思います。有名俳優を起用したCMとして一般的にも浸透したのではないかと思います。「土地がなくても、自己資金が少なくてもアパート経営はできる」は、商標登録もしているくらい主となるセールスポイントの一つになっています。
大東建託などの全国区でアパート経営を提案している大手は、基本は「土地の有効活用」ということで地方の土地を持っている資産家を顧客として展開してきましたが、「シノケン」はサラリーマンにも不動産投資ができるように「土地がない」「資金がない」方へのアパート経営を実現してきました。
1990年創業で新築アパート商品の基本をつくった会社でもあり、TATERU含めた複数のアパート会社を派生させた実績があります。
数値に関しても本社福岡を中心に着工件数は全国1位の規模を誇ります。新築アパートでの不動産投資を考えたことのある方であれば、一度は資料請求なりセミナーに参加したことがあるのではないかと思います。
これだけのアパートを販売していながら、自社ホームページには入居率が99%という驚異的な数値を出しています。この数値を実際に管理業務を担っているのが同じグループ会社の株式会社シノケンファシリティーズです。
シノケン中古物件が大量に販売されている
公式ホームページには「アパート経営に関するオーナー様の業務の代行および入居者様の募集方法や付帯設備の提案など入居率向上につながるコンサルティングを実施」と記載されています。管理全般はアパート経営では非常に大切なポジションなのでオーナーとの関係が重要になってきます。
しかしこのシノケンファシリティーズにはもう一つ重要な業務があるのです。それは公式ホームページの会社概要に記載されています「不動産の売買・賃貸及びその仲介業」なのです。
普通の仲介業者なのかと思ってしまいそうですが、実は「シノケン」で着工したアパートを売買をしているのです。
大手不動産投資メディア「楽待」にて「シノケンファシリティーズ」の販売ページがあります。99%の入居率を誇るアパートなので、オーナーも手放すことも少ないかと思いますが、実際に調べてみるとシノケンのアパートと思われる物件が2018年11月3日現在で実に43件もあります。
しかも驚くことに新築5年以内の物件がほぼ半分の21件です。中には昨年6月に完成したばかりの築2年もあり、アパート経営がうまくできてなかったことが想像されます。
名古屋市内のアパートが目立つのですが、中古物件でも利回りが5%台と強気な設定になっています。
果たしてこのような物件を購入する人が現れるのでしょうか。築2年で売り出しているということは、満室経営でなかったのかもしれません。入居率99%は本当なのでしょうか。オーナーの苦渋の判断が想像されます。
土地がなくても頭金がなくてもできるサラリーマンの不動産投資としても、このような状態ではアパート経営を続けることができません。
シノケンのCMでは不動産投資に期待できるイメージなのですが、やはり立地によっては苦戦が強いられるのかもしれません。