国際オリンピック委員会(IOC)は22日夜(日本時間23日未明)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年東京五輪の延期を含めた検討に入ると発表しました。
大会組織委員会などと協議し4週間以内に結論を出す方針です。中止こそは否定していますが延期の可能性が高くなりました。
日本国内では開催の方向であるとしていますが、契約上では開催都市自ら延期、中止を行うと莫大なコストがかかる」との話もありますので、IOC側からの発言で「延期・中止」を決定させるように促しているとも聞きます。
いずれにしても各国や競技団体から延期を求める声が相次いでいますので、早々に開催について決定権を持つIOCの最終判断が決定されると思います。
五輪延期不況もリスク対策が必要
日本は「コロナ不況」に加えて「五輪延期不況」のリスク対策の準備もしておかなくてはいけなくなりました。
延期にかかるコストは国民の税金で賄うしかないというような報道も出ていますが、それ以上に東京オリンピック関連でのビジネス展開をしていた業界には大打撃です。
来日を期待していた観光・旅行業界はもちろんのこと、会場周辺の飲食店やグッズ販売など影響は計り知れません。2020年内に開催できればまだしも、来年、再来年となるとすべてのサインから変更が必要になります。
湾岸エリアのマンション相場にも影響
東京オリンピックの開催が決定したのは2013年9月でした。そのころから東京の湾岸エリアはマンション価格はバブルと呼んでもよいくらいの高騰が見らました。
開催決定前には湾岸エリアでマンションは販売に苦戦をしていたと言われています。しかし東京オリンピックの開催決定がした後は、外国人による購入などもあり即日完売されるマンションが増えていったのです。
しかし湾岸エリアは埋め立て地ということもあり、交通の便から考えると不便ではあります。東京オリンピックの開催が決定したからといって地下鉄が延伸されるわけでもありませんでした。
新たにBRT(バス高速輸送システム)という新交通システムが導入されるだけですが、大多数の住民に対応できるほどの輸送力があるとは思えません。
交通の便が良くないのに東京オリンピック会場に近いという高揚感と最先端の技術によるタワーマンションというだけで相場が上がっていたのかもしれません。
今回の東京オリンピック延期や中止によっては価値を見出せなくなり、元々の相場価格に下がっていく可能性が高いのではないかと思います。
HARUMI FLAGが予定通りに引き渡せない
東京オリンピックの選手村跡地には4000戸超の規模で分譲マンション「HARUMI FLAG」が誕生します。
HARUMI FLAGは、約13haの広大な土地に、5,632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設の合計で24棟を建築する計画です。
保育施設、介護住宅などを整備し、多様なライフスタイルを受け入れる人口約12,000人となる街ができます。
しかし物件自体には「使いやすい物件なのか」「買って損をしない物件なのか」様々な意見が出ています。
2019年から始まってはいますが、東京オリンピックが「1年延期」になったら、引き渡し予定である「2023年3月」は予定通りにできない可能性も出てきます。
延期に合わせて入居時期も伸びるであれば購入者の計画も変わりますので、影響範囲は大きいです。
東京オリンピックが中止となれば引き渡しには影響ありません。「選手村に使われなかったマンション」としての扱いになりますので、中途半端な大型マンションのイメージになりそうです。
交通の便も良くないとされるエリアなので価値がさらに意見が分かれていくと思います。