コロナ禍での経済支援政策が想定通りには給付が進んでいません。
国民に一律10万円が支給される特別定額給付金は、給付率が98.1%に対して、飲食店や小売店などを経営する中小企業への「家賃支援給付金」の支給が申請の10%以下にとどまっていることが発表されました。
家賃支援給付金とは
新型コロナウイルスの影響で売り上げの大幅な減少などを強いられている中小企業や個人事業主などへの資金繰り支援を目的とした支援策は次々と発表されました。
- 持続化給付金
- 家賃支援給付金
- 金融機関は返済猶予等の条件変更
- 実質無利子・無担保の新型コロナ対応融資
「家賃支援給付金」とは、新型コロナウイルスの影響で収入が減った中小企業などに最大600万円を半年分の家賃として支給されます。
手続きが面倒すぎた家賃支援給付金
「家賃支援給付金」は約32万件の申請がありました。8月4日から支給が始まりましたが、実際に支給が行われたのは約3万件、270億円にとどまっています。
- 持続化給付金(約2週間)よりも時間がかかる
- 申請後の追加資料(契約書など)が必要
- 申請会場でのサポートが不十分
特に契約書に関しての不備する指摘が大きいようです。家賃は基本自動更新なので最初の原契約を探すことから始まります。
これは大家側の協力も必要になる作業です。大家側も家賃を払ってくれるのであれば協力的にするべきなのですが、資料不備による出し直しが多く想定以上に時間がかかっているようです。
満額の600万円を得ることは非常に困難な状況になっているのかもしれません。
テナント系大家の困難は続くのか
東京、大阪の都市圏ではコロナ感染者の人数が減ることなく、飲食店などに自粛が継続されていくことは避けられない状況です。
ここまで外食する機会が失われると、コロナ禍が終息したとしてもすぐには利用客が増えるとは思えません。
そうなれば飲食店のテナント貸しをしているオーナーからすれば、まだまだ不安定な状況が続くと予想されます。
政府も経済支援策だけでなく、「外で食事をすること」に不安を感じていることを払拭する宣言なりがなければ、自粛がなくなったとしても今までのような生活に戻ることはないのが現実だと思います。