国土交通省から賃貸管理業者へ新たな登録制度を進める予定です。オーナーや入居者と契約条件を巡るトラブルが相次いだサブリース業を含めた幅広く法規制を進めるとともに、今まで明確になっていなかった不動産管理独特の商慣行を透明化する動きです。
賃貸管理業者を登録制にする
2021年夏を目標に賃貸管理会社向けの登録制度を開始すると発表しました。
大枠の内容は以下の通りです。
- 賃貸住宅を200戸以上管理する事業者は全て登録
- 管理報酬などの重要事項を物件所有者に事前に書面で説明
- 監督者の配置
今月の12日にアパートなどの賃貸住宅を借り上げてまた貸しするサブリースに対して不当な勧誘の禁止や重要事項の書面での説明義務を事業者に課す新法が12日の参院本会議で可決、成立したばかりです。
こちらの法規制は年内から始まる予定となっており、すでに「かぼちゃの馬車」「レオパレス」などで社会問題化されているサブリースに対してのトラブルを未然に防ぐ動きが加速しそうです。
サブリースの社会問題化とは
サブリースは賃貸物件を所有者から借り上げ、入居者にまた貸しするというビジネスモデルです。
不動産賃貸業が多く増やす要因になった仕組みであり、地方などを中心に土地所有者が資産活用するために始めることが多い方法でした。
しかし、このサブリースには難点が多く見受けられています。家賃に関しては一定期間の収入が保証されるが、十分な説明が無いまま突然、減額されて資金繰りに行き詰まるなどのトラブルになることが多いのです。
また新型コロナウイルスなどにより家賃が払えないような入居者も増えてくることから、サブリース業者もビジネスの先行きがさらに難しくなることが予想されます。
日本国内の賃貸住宅数は1580万戸
国内における賃貸住宅は2018年時点では1580戸とされています。少子化で人口減少が叫ばれるなかでも多くの賃貸住宅が存在しています。
賃貸管理に関しては、賃貸住宅所有者自ら管理している「自主管理」がありますが、業者に委託している場合が大半です。
第3者に管理業務を委託している割合は、1990年から飛躍的に伸びております。これもアパート会社などによるサブリースが大きな要因だと思われます。
賃貸住戸における管理業務の委託割合
1990年 | 25% |
2019年 | 82% |
サラリーマンの不動産投資では管理会社が重要
サラリーマンによる不動産投資は、本業が忙しいので自主管理はほぼ難しいでしょう。
地方での物件を持っていたら、トラブルがあってもすぐに対応することができません。
サラリーマンが不動産投資をするには、優秀な管理会社が不可欠なのです。
また家賃収入され入ればよいと安易に「サブリース」を選択することも危険です。
これも「収益に問題のない不動産物件」と「信頼できる管理会社」があって初めて成立するものです。
今回の国土交通省の動きにより、オーナーに不利な条件になりがちな不透明な商慣習が明らかになることを期待したいと思います。
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