TATERUが早期退職を募集
ついにTATERUの社員を早期退職を募集する事態になりました。不動産投資のデザイナーズアパート経営で急成長した会社も、昨年の発覚した不正融資の代償があまりにも大きい結果となりました。
アパートの施工、管理を手掛けるTATERU(1435)は5日、同社と完全子会社3社の従業員を対象に約160人の早期退職を募集すると発表した。
これに伴い2019年1~9月期に特別損失を計上する予定。損失額は応募者数や特別加算金が決まり次第、公表する。
社員による顧客資料の改ざん問題を受けた顧客離れや業務停止命令による業績悪化が見込まれる中、収益性の改善を図る。
募集期間は7月8日から31日で、退職日は10月31日を予定している。
引用:日本経済新聞
今回は本社だけでなく、完全子会社3社も含まれているとの発表ですが、新たな事業を構築するための会社までもが対象になるとは残念は話です。
希望退職がある会社は、末期的な状況か
「希望退職」とは企業が人員削減を目的としています。
割り増しの退職金や再就職先の斡旋などの条件を社員に提示します。
そうすることで社員に退職を促す施策です。
基本的には経営不振の対応策として導入される制度であり、期間限定で集中的に行われるようです。
安定的と思われる上場企業でも希望退職を募集することは不思議ではない事態になっています。
2019年に希望・早期退職者を募った上場企業は16社に達しており、5カ月余りで前年1年間(12社)を上回っているというニュースが出ていました。
業種別では、医薬品メーカーの募集が目立つとのことです。
しかし募集をすると将来を期待される若手や、優秀と評価される人材が退職してしまう可能性が高いと言われています。
優秀な人材が流出することあれば企業としてはデメリットしかありません。
通常であれば応募条件として年齢や勤続年数を限定することが多く、先ほどの調査では45歳を適用開始とする企業が10社で最も多かったようです。
TATERUような若い会社の160名は影響が大きい
TATERUの場合はそうではありません。
急成長のベンチャー企業ですから、むしろ平均年齢が若い人がばかりだと思います。
会社の平均年齢は「31.5歳」とされていますので東証一部上場企業の中でも相当若いのではないでしょうか。
希望退職と聞くと経営不振を原因とする「リストラ」と思われがちです。
しかし最近は成長分野への事業展開を推進するために、余裕のあるうちに人員適正化を進めるという目的もあります。
今回のTATERUには到底そのような余裕があるとは思えません。
若くして希望に燃えて入社してきた社員の人生にも影響し始めたことで、TATERUはどのように責任を取っていくつもりなのでしょうか。
会社として判断が難しい選択肢がしばらくは続きそうです。