最近、鳴りを潜めた感のある不動産投資の「大家塾(不動産投資塾)」ですが、少しずつ募集を再開している噂です。
融資が厳しくなったことで不動産投資が行き詰まり、専業大家も事業を拡張できずにいるという状況でしたが、また活動しているような情報が流れてきました。
専業大家による「大家塾」の現状はどうなのでしょうか。
有名専業大家による「大家塾」に入塾するのは何故か
「大家塾」は、不動産投資で実績のある方は対象ではありません。
「サラリーマンなどで兼業で始める方」か「不動産投資で失敗した方」が中心とされています。
専業の中でも特に有名大家による投資塾は上手にブランディングされています。
不動産投資ノウハウ本の出版に始まり、メールマガジン発行、不動産会社主催のセミナーへの登壇、さらには各種メディアにも登場している有名大家はそれだけで優位性があります。
初心者からすれば「任せて安心できる」という信用性を持ちます。
逆にいうとブランディングができていない「不動産投資家」は「大家塾」ができないのです。
いろいろな形でブランディングすることにより、初心者へのコンタクトポイントを作り続けます。
しかし、実態は著書や各種メディアで訴えていた内容とは程遠いことが多いのです。
有名専業大家による大家塾の実態
サラリーマンを退職して専業大家になった方による大家塾の話です。
「大家塾」の内容はざっくりではありますが、下記のような内容です。
1.「セミナー」や「勉強会」を行う
2.物件を紹介する(金融機関を紹介する)
普段からその方は、不動産投資を「堅実で安定的な投資」として推奨していました。
・法廷耐用年数を超えない物件を購入
・低金利の金融機関から融資を受ける(頭金を貯める)
・長期間をかけて複数の物件を取得する
しかし、大家塾で実際にあっせんされた物件は、まったく真逆の内容でした。
・耐用年数超過物件(地方の築古アパートないし全空室のRC一棟)
・高金利の金融機関(ノンバンク系)でフルローンで融資を受ける
・短期間で一物件一法人で複数の物件を取得する
安定どころか、物件を間違えれば「破綻」していくような不動産投資の内容です。
しかもこの「大家塾」に入塾すると年間100万円以上かかるので、さらに驚きです。
この大家塾の有名大家曰く「これくらいの費用は、一棟購入すればペイできます」という説明なので、空いた口がふさがりません。
現在、個人コンサルティング化した「大家塾」
数年前の不動産投資ブームは、派手な宣伝をしていれば「無料セミナー」と称して集客ができる時代でした。そこから「大家塾」に入塾させるのがセオリーな流れです。
しかし、今はSNSなどで大家塾の内容が暴露されはじめており、集客すら困難な時代に突入しています。
冒頭の復活した動きは、少人数もしくは個人コンサルティング化していることで「大家塾」の形態を変えています。
基本的な内容は「大家塾」と同じです。月額費用を安価にして、個人コンサルティングの時に「高額費用」を請求するパターンが多いようです。
有名大家が全て悪いわけではありません。本当に有名大家の方はそもそも塾を開くより本業の不動産経営に集中しています。
初心者や失敗した人にとっては、藁をもすがる気持ちで「大家塾」に参加しているかもしれません。
有名大家曰く「大家塾」は自分のスキルアップのための「投資」なので、お金を惜しむべきではないと説いているかもしれません。
しかし実際には、時間も含めた「浪費」に近い行為かもしれません。