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「民泊物件売却」が鮮明、廃業が4100件に増加

「民泊物件売却」が鮮明、廃業が4100件に増加

新型コロナウイルスの感染拡大により観光客の激減、東京オリンピック・パラリンピックの延期、そして全国への緊急事態宣言により大型連休中の都道府県の移動も自粛と、民泊事業者の経営を影響を与えています。

 

「民泊」を廃業せざる負えない状況

民泊利用の予約キャンセルが2月から急速に増えて先行きが見えない状況が続きます。廃業する事業者も増えてきているようです。

 

事業の廃止件数は2020年4月時点で約4100件に達したとの情報が出ています。約2万5千件の民泊の届け出件数全体に比べ少ないものの、「民泊新法」が施行された直後の18年11月(約200件)のおよそ20倍という数字です。

 

民泊は不動産投資をするオーナーからすれば、次のステップアップとして始める人も多く、昨年末の時点では「まだ民泊はいける」「これからは民泊でキャッシュフローを上げていく」と意気込んでいる人が多く見受けられました。

 

またインターネットビジネスからの視点でも民泊を先導していた仲介大手「エアビーアンドビー」はシェアリングエコノミーの代表サービスでもあり、新しい経済圏の期待をされていた領域でもあります。

新規参入するオーナーは皆無か

売却されている物件は東京や大阪などの都市部が多いとのことです。毎年増加する外国人観光客を目的で民泊を始めたオーナーも多いと思います。

 

しかし日本が収束したとしても海外からの渡航者の受け入れは当面難しいと思われます。利用客が上向くイメージもなく複数物件を所有していた人が現金化するために整理に動いていくのは自然な流れです。

 

民泊は不動産を所有してできるサービスです。不動産を購入するには手持ち資金がなければ始めることができません。現金がなければ金融機関から融資を受けることが必要になります。

 

すでに金融機関の融資は中小企業の経済支援を中心に動いていますので、不動産投資への融資への優先度は高くないという話も聞きます。

 

この状況下で、新規で参入するオーナーは皆無になったと思います。

エアビーは事業者に補助を始める

経営が悪化した民泊業者を支援する動きも出てきました。エアビーアンドビーは、民泊事業者に資金補助を始めること発表したのです。

 

自宅を民泊の事業所として運営し、収入を住宅ローンの返済などにあてるオーナー対象としていますが、一時的な補助で継続できるほど簡単なものではないと思います。

 

民泊の打開策としては「ネットカフェ難民の受け入れ」「一時待機者用に開放」などが考えられますが、インバウンド需要を期待した民泊の目的からすれば不安定な収入になると思います。

 

売上を継続することが長期的に難しいとなれば、ビジネスモデルを見直す転換期に入ったのではないかと思います。

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