レオパレスが早期退職者募集の結果を発表しました。1000人の希望退職者に対して1067人と予想通りの結果になったのではないかと思います。
早期退職募集となれば、通常の企業であれば45歳以上と人件費も高くなる年代から実施されます。しかしレオパレスは35歳以上からの募集と主力となる年代からも広く募集しており、経営実態が相当悪いことが伺えます。
また全国の直営店168店のうち26店を31日に閉鎖し、近隣の店舗に集約するとも発表しています。
人件費、固定費などのコスト削減を急ぎ、施工不良問題で悪化した業績の回復を目指すとしていますが、所有物件の売却も急いでいることから、保有する現金も尽きてくるのも時間の問題かもしれません。
目次
レオパレスのアパート経営は負の連鎖でしかない
レオパレスが提案していたアパート経営は「オーナー良し」「賃借人良し」「会社良し」のような「三方良し」とはあまりにもかけ離れていたビジネスモデルです。
- ニーズのない土地にアパートを建てる
- アパートを建てるためにサブリースを導入
- サブリースを維持のために建築コストをさげる
- 安普請なアパートをつくり続ける
- 入居者は質の悪いアパートに住むが退去が続く
- オーナーに不必要で法外なリフォームをさせる
- サブリース契約を強制的に変更する
ニーズのない土地にアパートを建てる
レオパレスの物件は大半が地方にあります。地主と呼ばれるオーナーに対して積極的にアパートを建てさせることでビジネスモデルが成り立っていました。
しかしそこは都市圏でもなく、近くに大学や企業があるわけでもないニーズのない土地へのアプローチでした。
アパートを建てるためにサブリースを導入
最初は問題なかったかもしれませんが、オーナーが安心して購入するために「サブリース」という「家賃保証」を武器にさらに販売を拡充します。
アパート経営を詳しく知らない地主の人は「家賃保証」に納得して立て続けたのです。
サブリースを維持のために建築コストをさげる
ニーズのない土地ですから、人が入居しなくても家賃をオーナーに支払わなくてはいけません。そうなると他で埋め合わせるようになります。
アパート建築に多額の利益を載せるしかありません。地方でも高額のアパートが作られるようになります。
安普請なアパートをつくり続ける
さらに利益を得るためには建築コストを同時に下げていきます。ここから防音、防火に対しても質の低いアパートが建築しつづけられます。
全体の8割近くの施工不良アパートが出来てしまったことが必然的な流れだったかもしれません。
入居者は質の悪いアパートに住むが退去が続く
一番の被害は家賃に見合わないアパート仕様を借りている入居者です。壁がうすい、エアコンがすぐに故障するなど数々のレオパレス伝説が語られています。
しかしこのビジネスモデルを続けるためには仕方のない状況にだったのです。
オーナーに不必要で法外なリフォームをさせる
さらにサブリース費用を捻出するために、オーナーに不必要で価格の高いリフォームをさせることになります。それもコストを最大限に下げた質がよくないリフォームです。
オーナーは空室対策になるのではということで、さらにコストを掛けてアパート経営を続けます。
サブリース契約を強制的に変更する
いよいよサブリースで逆ザヤになってくれば、サブリース契約を強制的に変更させます。応じなければ契約打ち切りという条件を付けるのでオーナーは受けざるを得ません。
これらの事実が本当ならばレオパレスのアパート経営は「負の連鎖」がとまらないスキームで成り立っているのではないかと思います。
家具付き、インターネット無料など先進的な取り組みと大量のCM投下でブランドイメージを作ってきましたが実体とはあまりにもかけ離れていたのです。
元社員のコメントによる杜撰な経営体制
今回のニュースにより、インターネットでは元社員からの書き込みが目立っています。
- 典型的なブラック企業
- セクハラ、パワハラが横行
- 深夜からの営業会議
- 新卒の大半が一年未満で辞める企業
今回の大量退職でさらなる悪評が浮き彫りになることでしょう。
もはや支援するとしてソフトバンクやヤマダ電機の名前も出てきましたが、コロナ禍で厳しい中では余裕をもって出資する企業はしばらくは出てこないのではないかと思います。
本業の利益が減速していくなかで、経営維持するために自前で現金化していくしかありませんが、年内を乗り切ることが非常に難しくなってきたのではないかと思います。
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