日経新聞の記事では連日「地方在住」に関する内容が報道されています。テレワークを中心とした新しい働き方として「オフィスの在り方」「ワークライフバランス」を現実性を検証しています。
東京都内の人口は増加し続けています。テレワークだからと言って極端に人口数が減ることは考えにくいのですが、今までのような暮らしではなくなるのは明白です。
都内の人気駅から徒歩圏内で居住スペースが3~4畳程度の狭小アパートに7~8万円も支払う入居者は少なくなるのでないかと思います。
実際に都内で家賃10万円前後の入居者がコロナ禍を機会に退去が増えているようです。
不動産投資でも東京23区内にアパートやマンションを持っていれば安心という感じではなくなってきそうです。
東京都内で家賃10万円の入居者が限定される
不動産投資を行ううえで家賃は大変需要な金額で家賃設定を間違えてしまうと収支計画や返済計画に影響を与えてしまいます。
また家賃相場を見ることも大事ですが、どれレベルの属性の入居者を求めるかによってアパートの仕様が変わってきます。
都内の人気駅であれば、設備も揃っていて築年数が浅いのであればワンルームマンションでも10万円近くになります。
アパートでも7~8万円はかかると思います。年収350~400万円では生活バランス的に見合っていません。
やはり年収の高く安定している人か会社からの補助が出ているなど余裕がないと入居者は限定されます。
家賃6万円設定が理想的な理由
そこで標準的な目安として5~6万円でのアパートを購入することをお勧めします。
一般的に手取り収入に対して、家賃にかける割合は1/3が望ましいと言われています。
逆算になりますが、家賃6万円であれば、手取り収入は18万円になります。
ざっくりとした試算ですが年収300万円前後の方が住める金額になります。
少し前のデータになりますが、国税庁による平成26年の調査によると、20代の平均年収は296万円でした。
20代前半の平均年収は248万円で、20代後半は344万円とされています。
都市圏であれば、もう少し金額が上がるかもしれませんが、一人暮らしの社会人であれば、家賃6万円でのアパート設定であれば幅広いニーズに対応できる価格帯だと思います。
家賃6万円になる新築アパートの価格
それでは、新築アパートを購入する際にどれくらいの規模の物件を購入すればいいか、簡単なシミュレーションをしてみます。
家賃 | 6万円 |
戸数 | 6戸 |
表面利回り | 7% |
購入諸経費 | 価格の10% |
表面利回りは地方都市でも最近7%前後のようなので固めに設定してみます。
購入諸経費は税金、手続きなどで掛かる費用になります。8~9%前後が一般的ですが、こちらも固めに多く見積もってみます。
- 不動産収入:6万円 × 6戸 × 12か月 = 432万円
- 物件価格(本体):432万円 ÷ 7% = 6,171万円
- 購入諸経費:6,171万円 × 10% = 617万円
- 物件総額:6171万円 + 617万円 = 6,788万円
※千円以下切り捨て
新築アパートを購入する目安として6~7千万円台が標準的な価格になりました。
「TATERU」や「レオパレス」など大手アパート会社であれば、都内のアパートで1億円以上の設定が多くみられました。
家賃が倍近く取らないと収支が合わない計算になります。もし家賃がそこまで上げられないのであれば表面利回りがマンション並みの3~4%程度になります。
6~7千万円台となると地方都市(県庁所在地レベル)で購入できるくらいではないかと思います。
今後、東京都内で家賃が10万円前後のマンションやアパートは収支計画が難しくなっていくことが予想されます。
アパート購入には資金が必要
6~7千万円台となると地方都市でも購入したいとなると、やはり頭金が必要です。
以前であれば物件総額の1割でも買えるという時代もありましたが、最低でも2割は必要と言われています。大手都市銀行であれば3割以上必要とも言われています。
先ほどの購入価格から試算すると下記のような金額が必要になります。
- 頭金1割:6,788万円 × 10% = 678万円
- 頭金2割:6,788万円 × 20% =1,357万円
- 頭金3割:6,788万円 × 30% =2,036万円
※千円以下切り捨て
最低でも700万円近くの頭金が必要になります。
ごく稀に頭金ゼロでも購入できるという宣伝をする不動産会社がありますが、「金融資産が数千万円ある」や「すでに投資用物件がある」などの条件が必要です。
初心者では頭金ゼロで購入できたとしても、将来的には返済リスクが高くなる可能性があります。
最近アパート会社の営業に話から聞いた話だと、外資系で年収が数千万円の人でも頭金が2,000万円用意できなければ融資断られるということです。
この頭金が安いと思うか高いと思うかは個人の判断にもよりますが、これから始める際には、資金がないと厳しいということには変わりはありません。
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