不動産投資の不正融資問題の1つとして挙げられていた「フラット35」を悪用したスキームに対して新たに57件の不正が発覚されました。
今回は、余程の悪質性があるとみたのか借入をした利用者に一括返済を求めています。
不正利用の総額は33億円
個人の住宅取得を後押しするために作られた長期固定低金利の住宅ローン「フラット35」は、家を持ちたい人にとっては有利な条件でお金を借りることができます。
しかし不動産投資目的として悪用されることが発覚し問題化していました。投資用不動産を売りたいがためのスキームですが、「フラット35」本来の目的に合致していない行為です。
自宅購入として融資を受けるように見せかけて、実際には購入者は住まずに、第3者に貸し出すことで家賃収入を得ていたのです。
住宅金融支援機構は今月25日、新たに57件の不正を確認したと発表しました。
今年8月に公表した105件と合わせ計162件となり総額は約33億円に拡大したとのことです。
個人では考えつかない悪用スキーム
「フラット35」は金利も低く、一般的なアパートローンに比べて有利な条件です。
不動産投資をしたい初心者であれば、考えつかないスキームなので、関与している不動産会社の姿勢に問題があります。
今回の発表では、住宅金融支援機構は住宅の売り主である東京都の不動産業者らと借り手も含めて法的措置を検討しているとのことです。
借り手の多くは年収300万~400万円の若い会社員とのことのようなので、不動産投資に詳しくないと予想されます。
不動産会社に言われるがままにローンを組んで購入していたとしたら、シェアハウスと同じく被害者なのかもしれません。
いずれにしても、購入者の属性から判断して一括返済は、かなり厳しい措置だと思います。それだけ融資に決して不正はしてはいけないということです。
関係者全員に処分が必要
融資を承認してしまった住宅金融支援機構側にもチェック体制が出来ていなかったことも大きな要因です。
レオパレスの施工不良アパートと同じく貸出先全戸調査するくらいの事例です。
関与した業者は大体同じ系統の会社と予想されますので、斡旋した書類などから会社名から探していくのが早道でしょう。大体同じ内容で審査をされていると思います。
徹底してやらないと「借りたもの勝ち」になってしまいます。
年末のこの時期にどさくさに紛れて発表したかもしれませんが、これで終わりではありません。
57件なんてまだまだ氷山の一角だと思います。今回は購入者がサラリーマンが対象となっていますが、不動産投資に積極的なアジア系の富裕層とかを徹底的に調べる必要があるかと思います。
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