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レオパレスの施工不良騒動が終わりが見えない
画像引用:ヤフーニュース(写真:ホウドウキョク)より
次から次へと不正行為、違法行為がでてきます。ヤフーニュースでも常に「レオパレス」の文字が出続けています。公式の記者会見以降も新事実が出てくるかもしれません。
レオパレスが昨年4月公表した天井裏の界壁が未設置だったケースについて、今も確認作業を続けている中でさらに起こった施工不良が大量に発表されました。
レオパレスの違法建築の実態
仕切り壁に遮音性能がない(771棟)
部屋間の仕切り壁(界壁)に同法の仕様と異なる材料を使い、遮音性能を満たしていなかった
天井が一重での施工(641棟)
天井材を二重に張るべきところを一重にしていた
アパート外壁に違法部材(925棟)
自治体などにはガラスを溶かして繊維状にした「グラスウール」などを用いると申請していたのにも関わらず、実際には「発泡ウレタン」を用いた
違法建築は組織ぐるみでの実行か
施工不良物件はいずれも天井裏や床下の点検口が設置されていない状態あったことです。目で確認できる部分が限られているため、死角でわかりにくいところはチェックしようがありません。
写真で確認申請をしたと言われていますが、意図的にそのような形にしたのではないかという見方も出ています。検査する側も写真でしか判断できず問題がなければ、確認済証を交付せざるを得ない状態だったと述べています。
添付写真など当時の完了検査関係書類の保存期限は5年だったため、すでに申請資料の確認は困難とされています。1324棟のアパートが同時期に同じような対応をしていたとなると組織的な関与があったとしか思えません。
建築基準法違反は、住居人の安全を脅かすものです。過去に2005年に株式会社ヒューザーによる耐震偽装事件は、社会的な大問題に発展しました。
レオパレスの一連の建築基準法違反の疑いに対して国土交通省の石井国土交通大臣も「(昨年4月に公表した)共同住宅の壁の不備事案に続いて、新たな事案が見つかったことは極めて遺憾だ」とコメントしている。今回もレオパレスの対応と関係者への影響範囲によっては国会招致レベルの問題になるかもしれません。
今回の記者会見に明らかにしたのは、違法建築の対象が1996年~2001年に施行した「ゴールドレジデンス」シリーズとしています。さきほどの2005年の耐震偽装事件の10年近く前の話です。対象物件が20年近くも隠ぺい行為をしていたということになります。
レオパレスの不正により多方面に影響がでている
入居者:1万4443人が転居しなくてはいけない
入居者がいても対応できる補修工事レベルではなくなりました。当初は天井の防火上の不備がある物件641棟の入居者7782人に対してと思われていましたが。最終的には新たに問題が見つかった1324棟の計1万4443人までに膨れ上がっています。
3月末までというレオパレス都合の進め方はあまりにも強引です。3月は賃貸住宅においてもっとも入れ替えの激しい時期です。すぐに部屋がみつかれば良いのですが、今住んでいる場所より条件が悪くなっても出ざると負えません。
また、すでにニュースにもなっていますが、引越し業者も集中するので対応できるかの問題も残っています。レオパレス都合で考えるのではなく入居者のことを考えるのであれば、夏頃まで猶予を与えるべきです。
オーナー:築20年以上の違法建築は、すぐには売れない
オーナーが一番経済的に被害を被る可能性が高いです。満室経営だったとしても入居者が出ることになれば家賃収入が入ってきません。レオパレスがセールスポイントとしていたサブリース契約をしてたとしても破棄されるのではないでしょうか
新築アパートには建物に対しての10年保証があります。しかしながら年数的に対象外になるので、オーナーがコストをみる可能性もなくはありません(さすがにこれは、レオパレスが負担しないといけませんが契約を確認しないと何とも言えません)
不良アパートとなれば売却するしかありません。しかし対象物件が不正時期の1996年に建築されているとすれば、22年近くの木造アパートとなります。金融機関の定めるところの耐用年数と奇しくも同じです。
耐用年数を経過すると融資が付きにくくなるため購入者や金融機関も限られてきます。違法建築の建物のままであれば価値がないため解体して土地値で売るしかありません。
返済期間が残っていれば元金によっては負債になります。融資をした金融機関も場合によっては回収が困難になる可能性もあります。
社員(2001年以降入社):過去の負債に耐えなくてはいけない
現場の人間が一番苦労していると思います。2001年以降に入社した何もしらされていない社員はオーナーと入居者からのクレームに挟まれて対応していかなくてはなりません。
当然、会社を辞める人々も出てくると思います。しかしレオパレス出身となれば、受け入れ側も慎重になる可能性もあるため、すぐの転職も厳しいかもしれません。
今年の春に新入社員として入社する方々は今どういう思いでいるのでしょうか。辞退する人も増えていくのではないでしょうか。(レオパレスから一方的に「内定取り消し」されるかもしれません。)2019年新卒募集サイトはまだありますが、TATERUのようにクローズしていくかもしれません。
すべては20年以上前の悪しき行為がすべての関係者に弊害をもたらしたのだと思うと、不動産投資をする立場としては残念でなりません。
レオパレスは今後どうなっていくのか
1996年頃はバブル崩壊後の経済低迷期に、事業継続と成長のためにコスト削減を行っていまった行為かと想像されます。しかし入居者、オーナーを欺く違法行為はいけません。会社のために見えないところを手を抜いてはいけません。
今回のレオパレスによる一連の出来事は、東証一部上場企業とはおもえないコンプライアンスの甘さと対応の遅さに稀に見る悪事例となってしまいました。
これほどの違法建築をしていながら、第三者委員会による調査をしないことに不思議に思います。同じ東証一部企業であるTATERUも数ヶ月の調査期間を設けてを不正融資に関しての事象を公開しています。
まだほかにもあるのではないかと疑ってしまいます。今後内通者や下請け業者からの新事実も出てくるかもしれません。株価はすでに大暴落をしています。
今回の騒動で金融機関からの信頼も落ちていると思いますので、新規でアパートを作るのは困難だと予想されます。しかもTATERUと違って補填する金額があまりにも大きいので、事業自体の先行きが見えない状態がしばらく続くのではないかと思います。
来週はレオパレスグアムリゾートで女子ゴルフ大会
来週はレオパレスが運営するレオパレスリゾート グアム内の「レオパレスリゾート カントリークラブ」にて女子ゴルフ大会が行われます。
レオパレスが特別協賛となっています。今回の違法建築問題がなければ、寒さで震え上がる日本をよそに経営幹部総出で温かいグアムを満喫していたのかもしれません。
「AbemaTV」にて、2日間の大会の様子が生中継されます。まさかとは思いますがこの事態の中でも、経営層が何事もなくプレゼンターとして出てくるようなことがあれば、優先順位を間違えたコンプライアンス以前の話だと思います。