頭金を入れない不動産投資が成立するのか
ある不動産投資会社の方による「頭金」に関する記事がありました。常々資産形成(長期間保有が前提)をするのであれば現金を入れるべきだと思っていました。急拡大するためには、現金は残しておかないといけません。そうなるとフルローン、オーバーローンの選択肢が出てきます。
1億円全額の融資を受けるとすると表面利回りは、1000万円÷1億円ですので、10%となります。
一方で、頭金を1割の1000万円入れ、融資額が9000万円の場合、表面利回りは、1000万円÷9000万円で11%ぐらいになるので、安心じゃないかという考え方です。
しかし、それであれば他の物件で「1000万円の家賃収入が見込める9000万円の物件」を購入すればいいのです。
9000万円の物件を買って頭金をゼロにした場合でも、その物件の安全性はまったく同じです。頭金を入れなくても収支がいい物件を購入するほうが賢明だといえます。
頭金を入れるということは、買った瞬間1000万円を失ったと同じです。
お金を得るためにやっているのに最初からお金を使うのは絶対にあり得ないと思います。
引用:ヤフーニュースより
頭金は土地(資産)購入している
個人的には頭金は土地を購入するお金の一部と割り切っていますので損をしている感覚はありません。金融機関から不動産価格の10〜20%求められたとしても、勿体無いとは思っていません。現金が土地に変わったと捉えています。
不動産投資に関しては正解はないと思っています。個々の目標とするキャッシュフローであったり、属性による条件でによって投資スタイルが異なります。初心者からすれば堅実で成功だと思っていても、大規模大家からすれば急速に拡大できないと評価される場合もあります。
この記事を見る限りでは金額と利回りからして中古RCないし中古鉄骨造が想定していると思います。一時期流行った地方中古RCによるメガ大家の話に通じるものを感じます。「2億円の中古RC物件をオーバーローンで高金利、長期間で借りることができ、月のキャッシュフローが20万円」という物件でも喜んで購入していた時代の話です。今となってはリスクの塊のような不動産物件です。
規模拡大が資産形成とは限らない
規模拡大と資産形成は別物のような気がしています。規模拡大は売却を前提にしてプロの世界の投資方法だと思います。個人的にも所有していました中古区分マンションを購入より売却の方がストレスがかかりました。(結婚より離婚の方が大変ということでしょうか)専門的な知識のないサラリーマンが飛び込む世界ではないと感じています。
いまだにお金を出さずにフルローン、オーバーローンで不動産投資をするということは、株式投資での信用取引やFXでのレバレッジ投資するくらいにリスクを理解した上での投資になっていると思います。
お金を使わずに不動産投資をしないと意味がないという考えは間違いではないかもしれませんが、正解とも思えません。