「想像通り」なのか「想像以上」なのか
「TATERU」の顧客の預金残高データの改ざんにに関して特別調査委員会からの報告を受けて昨日発表されました。不動産業界のみならずともヤフーのトピックスにも出るくらいに注目の的となってしまいました。
調査結果報告書によると、預金残高データを改ざんする、「エビデンス(預金通帳、口座残高証明書、インターネットバンキングやインターネットによる証券口座の画面表示等、顧客が保有する資産の金額を示す証憑)の改ざん」は、営業部長と部長代理を中心とする合計31名で行われていたとのこと。
前年の成約棟数に150~200棟を加算し、年間の販売棟数を設定していた。これに対し、営業担当者の間では、販売目標を達成するには、自己資金が少ない顧客とも契約を締結しなければならないような状況に陥っていたという。
引用:Yahoo!ニュースより一部抜粋
31名が関与しているとの報告ですが、2017年12月時点でのコンシェルジュ(営業)が65名という情報がありますので、その後人数が増えているとしても半分近くが関与していた可能性があります。
スルガ銀行並みのパワーハラスメントも横行していた事実も認めているとの報道です。どこを指摘すればいいのかわからないくらいの不正行為と背景だと思います。通帳の改ざんだけでなく、顧客のエビデンスとして流用することにより、当該顧客が自己資金を保有するかのように水増しする「他人預金通帳写しの差し替え」といった許されない不正行為もあったということには、上場企業とは思えない仕事の進め方です。
そして一番酷いのはこの行為が東証マザーズ上場前から行われていたということです。
私自信もその上場前に提案を受けたことを改めて思い出したですが、確かに物件の提案には時間をかけずに、取り急ぎ「仮でもいいので申込書を記入して、通帳のコピーをください」という話が常に先行していました。そこで融資ができることを確定させて一気に契約をさせる流れだったのかもしません。
TATERUは古木大咲最高経営責任者(CEO)の月額報酬の半額を6カ月間カットするなどの社内処分を発表していますが、アパート会社含めた不動産投資業界において、そのレベルで許されるものではないくらいの影響を与えてしまったと思います。
本件の融資元である西京銀行(山口県周南市)は同日、行内調査の結果、「改ざんその他の不適切な取り扱いに関与した事実は確認できなかった」とのコメントを出したとしていますが、これも今後明らかになっていくのではないでしょうか。
しかしながら、このような不正行為を見過ごしていた会社である「TATERU」の物件に融資できる金融機関はもはや皆無なのではないと予想されます。
新規で融資がなければ購入できる人もおらず、評価の出ない物件を持ち続けて不良債権化も進行していくでしょう。関連する建築施工会社にも影響が出てきます。
また実際に融資を受けてオーナーになった人も、TATERUに管理業務を任せているのが大半だと思われます。管理業務事態にも支障が出てくるとなると二次被害も拡大していく可能性もあります。
ネットでは古木CEOが頻繁に中国に出向いているとの情報も出ています。国内では相手できないので視点を変えているのかもしれませんが、まずは国内を清算することが先決だと思います。