「TATERU」の転落はどこから始まったのか
昨日ネットニュースで「TATERU」に関する状況をまとめた内容が報道されました。一連の不正融資から始まり、赤字経営、早期退職制度の導入まで典型的な転落ぶりを説明しています。
TATERUの急成長は目にみはるものでした。
私も上場前のころに物件の提案を受けましたが、当時のことをよく覚えています。
若い社員が多くオフィスも青山の一等地にあり、内装も洗練されていたのを覚えています。
一般的な不動産会社のイメージではなく今どきのITベンチャー企業のような佇まいでした。
TATERUの売上高は、2010年12月期に約26億円でしたが、わずか7年後の2017年12月期に約670億円(連結含む)まで急増しています。
2016年12月に、東証一部上場企業になるまでは破竹の勢いだったと思います。
しかしわずか1年での転落劇は、基本となるビジネスモデルに問題があったとしか言わざるを得ません。
すでに上場前からビジネスモデルに無理があったのではないでしょうか。
古木社長が未だに記者会見を開かない
先日の発表では赤字を無くして、来期の黒字化を目指すとしていますが、残念ながら信用ができません。
すでに不正融資などを行っていることでの信用は取り戻すのが難しいです。
しかも対応がよくありません。いまだに古木大咲社長が記者会見などの公に出てきていないのです。
今回の事件の一連の経緯と将来のビジョンを語ることをしないといけません。
株主総会では語ったのかもしれませんが、少なくもと消費者には届きません。
社長が先頭に立つことのない会社の末期的かもしれません。
ひどい記者会見ではありましたが、同じ一部上場企業のレオパレスの方がまだマシです。
そして多くの若い社員を早期退社(強制退社?)することになったのは、経営者としては最悪の選択肢だと思います。
元「TATERU」社員は、投資マンション営業になった
今回の早期退社で約400名中136名が早期退職で会社を去ることになりました。
すでにこの事件が明るみになった時点で、多くの社員が退社したと思われます。
入社したときは新進気鋭の急成長の一部上場企業会社に入ったのに、気がつけば不祥事が横行していた会社になっていました。
そのような会社からの出身者であれば、本人が真面目に仕事をしていても良い印象を持たれないことが多いのではないでしょうか。
おそらく同じ不動産業界に止まるしかないのが現実的な感じがします。
元「TATERU」社員で投資マンションの営業をしていると言う噂を聞きました。
実際に営業においてのトークスキルは流石に長けているようです。
コミュニケーション能力もあるので好印象ではあるのですが、話の内容がオーバートーク気味だと言うことでした。
不動産業界全般に言えることなのかもしれませんが、不動産価値を提供するのに「盛る」ことはあるようです。
「TATERU」で培ったスキルが新たな「不正」を作らないように注意していただきたいと思います。