レオパレスがとうとう資産の現金化が加速し始めました。財務状況がよほど悪化しているのでしょう。
10月4日に国内にあるホテル3棟を売却することを発表しました。
対象のホテルは札幌市、仙台市、福岡市となり、ホテルとしてもインバウンド需要がある地域です。
全三棟のホテル売却額は160億円と高く売れた印象があります。
売却先は発表していませんが、ホテル事業はアパホテルグループや急成長の会社が多く参入しているので売却先には困らなかったのではないかと思います。
レオパレスは現金化を急がなくてはならない
今回の発表ではホテルだけでなく、賃貸用住宅やオフィスの売却も含め、売却益約78億円を特別利益が出る見込みです。
賃貸用住宅やオフィス計15棟は既に売却したとのことですが、売却背景が知られているだけに安く叩かれているかもしれません。
20年3月期の連結最終損益は1億円の黒字としています。しかし、前期は686億円と巨大赤字を出しています。
大手東証一部企業とは思えない悲惨な状況です。見込み値では無理くり黒字化を示していますが、焼石に水でしょう。
株主もホテル売却で優待メリットがなくなり、さらに離れていくでしょう。
投資会社も資産を切り売りしている会社に魅力を感じなくなるかもしれません。
それでもレオパレスは現金化を急がなければ、事業継続がさらに厳しくなります。
さらに施工不良アパートが2816棟
売却による清算が進み黒字化計画を出してポジティブ訴求をした感じですが、肝心の施工不良アパート問題が解決していません。
残念なことに過去に施工したアパートで新たに2816棟の物件で不備が見つかったのです。
物件総数は2万3483棟(8月末時点)から、2万6299棟(9月末時点)に拡大しています。
10月末までの完了予定の調査が9割の物件で終えたようですが、この数値を見る限りもう調査するまでもないでしょう。
工事が必要なすべての部屋で改修を終えた物件数は900棟しか終わっていません。全体の3%の進捗です。
9月の入居率は80.07%です。来月には80%を切ることになるでしょう。
入居率が80%を下回れば、支払いが収入を上回る「逆ざや」になり、さらに赤字が増える可能性があります。
そうなるとせっかくの売却益が無駄に終わるかもしれません。さらに黒字化は夢のまた夢になるでしょう。