アプラス「アルヒ提携ローン」の不正融資調査

不正融資の調査

住宅ローン最大手のARUHI (アルヒ)の不正融資疑惑の実態が明かされるような動きがありました。ARUHI (アルヒ)自体は疑惑を否定していましたが、本件のパートナー会社であるアプラスフィナンシャルが調査をしていることを認めました。

信販会社アプラスの親会社のアプラスフィナンシャルは30日、アルヒと提携して手がけている投資用マンション向け融資で、審査書類の改ざんなどの有無を調査していると発表した。不動産の価格が不当につり上げられた疑いのある物件を含め、調査対象は100件を超えるという。

引用:日本経済新聞

両社の関係は今まで蜜月だったのかもしれませんが、今回の疑惑をきっかけに問題が大きくなっていきそうです。

 

株式会社アプラスとは

アプラスフィナンシャルは信販会社アプラスの親会社です。

 

新生銀行系の中堅信販・クレジットカード会社のアプラスなどを傘下に持つ事業持株会社です。

 

「アプラス」という名前はクレジットカード会社として聞いたことがある方も多いと思いますが、事業領域はクレジットカードだけに限りません。

アプラスの事業内容
  • ショッピングクレジット事業
    ショッピングクレジット、オートクレジット、回収金保証など
  • カード事業
    クレジットカード、提携カード、カードキャッシングなど
  • ペイメント事業
    オートネットサービス、コンビニ集金代行サービス、家賃サービス、プリペイドカード など

不動産投資関連のローンも提供しています。私も以前、TATERU社のバックアップローン(不動産投資では絶対にしてはいけない諸経費用ローン)でアプラス社の提案を受けました。

 

ARUHIとの業務の切り分けでは審査などを請け負っている形になります。

ARUHI(アルヒ)株式会社 不動産事業者から持ち込まれた書類を取次(アプラス社への送付)
株式会社アプラス ・ローンの審査
・融資実行
・債権管理等

ARUHIの主張としては自社では審査をしていないので関係ないとしていますが、実際はどうなのでしょうか。

 

今回の調査対象が100件以上ともなると「偶発的」な対応とは思えません。担当者同士が成績のために結託したか、上層部が業績のために指示を出したかと考えるほうが自然です。

 

そうなるとスルガ銀行のような営業メインの会社特有の「パワハラ指導ではなかったか」「コンプライアンス的に問題がなかったのか」までも調査が入っている可能性があります。

 

アプラス側の主張

現時点で、誰が不正行為を主導したのか分かっていない。アプラスは「審査書類の改ざんに関わった販売事業者が判明すれば、ただちに取引を停止し、法的措置も含めて対応していく」としている。同社は投資用マンション向け融資の借り手を対象に、問い合わせ窓口を設置した。

関係者同士が責任の押しつけを始まっている状況にしか見えません。自社の業務には問題ないと主張をしていること残念です。

 

不正融資があったとしたら、関係者で制御する体制が機能していなかったことになります。そうであれば疑惑の対象が100件も超えることはなかったはずです。

 

特にARUHIとアプラスは東証一部上場企業の立場ですので、状況によっては信用問題に直結します。両社ともに一歩も譲らない姿勢が伺えます。

 

購入した被害者のことを考えているのか

しかし本当の問題はそこではありません。そのような取引をしたことにより、被害者と呼ばれる多くの購入者がいることです。

 

「投資は自己責任」と呼ばれる言われていますが、不動産投資について何も知らない人は、ほとんど強制的に購入させられたことが問題です。

 

「かぼちゃの馬車」での不正融資問題の場合は、購入者の大半は高属性の方で多少なりとも「儲かる」ということを想定して購入しています。

 

被害があったとしても「勉強不足だった」ということは認めなくてはいけません。

 

しかし今回の事例での「新築ワンルームマンション」が違います。明らかに購入者に意思がなく、属性も20代女性だったり、無職であったりするのです。

 

こちらの方が被害者として救済すべきだと思います。

 

サブリースに限らず住宅ローンでも収入や勤務先を改ざんしてまでも「マンションを売ったもん勝ち」「お金を貸したもの勝ち」のような考えは到底正しいとは思えません。

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