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本当に新築アパートは失敗が多いのか
新築アパートによる不動産投資は、不動産投資家の方から新築ワンルームマンションの不動産投資と同じくらいに失敗例として挙げられます。
大抵は中古アパートや地方のRC一棟を攻めている不動産投資家の方ばかりの意見なのでネガティブな内容として偏りがちな部分があります。
しかしながら「失敗」したかもという意見はある程度は間違っていないと思います。なぜなら新築アパートの中にもかなり無理のある物件も存在するからです。
失敗する予兆があるパターンを経験から記載いたします。
失敗例① 資産価値のない土地建てた新築アパート
不動産投資は立地が全てとは言われています。当然良い土地は坪単価も高く不動産投資目的で購入するとなかなか収支が回らないものがあります。
それでも収支を合わせるためにほとんどアパート需要がないところに物件を建てることもよくありません。
レオパレスが地方の資産家の宅地利用での実績のない土地に建てるのは、そもそも破綻するためのアパートでしかありません。
アパート企画会社の大手である「TATERU」も業者でも急成長のころに不動産業者でも購入しない土地を抑えて販売をしていました。(私も名古屋のある工業地域のアパートを提案されたことがあります。)
土地の値段と収支が合うのは不動産会社の見せ所でもありますが、一番失敗するパターンかもしれません。
これに関しては中古アパートにも該当するのでご注意ください。土地値で買えたと豪語する方もいますが、資産価値があるかは別評価の話です。
失敗例② 間取りに競争力のない新築アパート
アパート会社はなぜか競合土地に集中します。同じくアパート企画会社の最大手であるシノケングループが建てたところの近くにTATERUがアパートを企画していたり、レオパレスが存在していたりすることが多々あります。
アパート需要があるところと言われれば仕方がないのですが、問題は同じ大きさのアパートでも競合に勝てる企画力がないことがあります。
一般的な1Kロフト付で18㎡程度のアパートであれば新築でも3年も持たないでしょう。入居者が2回変われば、新築としての旨味もなくなってきて家賃を下げて広告費を上げない限りは入居付が厳しくなります。
アパート購入後に土地は変えることはできませんが、それ以上に間取りも変えられないのです。収支を合わせるために部屋数を多くしたアパートは厳しくなると予想されます。
失敗例③ 家賃が5万円を下回る新築アパート
新築でも入居者を得るために、空室が続くようであれば家賃を下げなくてはいけない場合があります。相場的に5万円以下になる場合は要注意です。
おそらく周囲の築古と呼ばれる中古アパートも1万円代で貸し出しをしているエリアではないでしょうか。
入居者の属性も良くないエリアに陥る可能性があります。外壁もキレイで設備も問題ないアパートだったとしても、入居者の需要とマッチングしていない可能性が高いです。
失敗例④ 初回満室保証に頼る新築アパート
最初の入居付けが今後の展開にもつながります。アパート企画会社では「初回満室保証」が通常つきます。購入時は「満室保証」がついて安心と思うかもしれません。
この満室保証にはアパート会社からすると2つの考えがあります。「企画的問題ないので保証額を持ち出すことがない」と自信を持っている場合と「保証をつけなければ売れない」と弱気に設定している場合があります。
後者であれば全くもって購入するに値しません。その一つの目安に6ヶ月以上も家賃保証が発生している物件は要注意です。
アパート会社も費用を持ち出しするのはNGではと思ってしまいますが、こういう物件は販売価格に織り込まれている場合があります。
広告費用やコンサルティング費用的な項目があれば疑っても良いかもしれません。
新築アパートに完璧なものはない
失敗例は購入検討している段階ではわからないものです。「あばたもえくぼ」ではないですが、アパート会社に提案されるがままに良い物件に見えてしまって冷静な判断ができません。<
特に相談するのが家族しかいなければ、なかなか難しいかと思います。最近は不動産投資の失敗に関する書籍やセミナーもあるようなので、事前に知識として得ておくこと良いかと思います。
アパート自体に完璧なものはありません。自分にとって不動産投資の目的に近づくことができる条件でアパートを検討するべきです。
投資した金額に見合う内容なのか、どれくらいの時期を掛けて回収し収益を上げていけば及第点なのかを定義することが大事だと思います。