昨日まで東京ビックサイトで「資産運用EXPO」が開催されました。今回で第3回を迎えるイベントです。
投資に関して幅広い領域での会社が一同に介するので、資産運用を考えている個人の方ではあれば、普段接することのない投資会社なども確認しながら効率的に比較できるイベントです。
またイベント自体は各種資料をもらえるだけでなく、各ブースで趣向を凝らしたセミナーや商談コーナーもあり文化祭のような感じで楽しむことができます。
目次
資産運用EXPOは様々な業界から出展
出展社となる企業も様々な資産運用を提案できる会社が集っています。「お金を増やしたい」と思っている人であれば興味を引くような内容がたくさんあります。
金融資産
- 投資信託
- ETF
- NISA 、iDeCo
- REIT
- FX/CFD
- 仮想通貨
- ソーシャルレンディング
不動産投資
- 太陽光発電、風力発電
- 海外不動産
- トランクルーム
- コインランドリー
- 倉庫・工場
- 駐車場
- 新築一棟マンション、アパート
- 賃貸管理サービス
家計の見直し
- 保険
- クレジットカード
- 各種ローン
- サービス(電気、ガス料金 携帯、通信費 インターネット回線 など)
- 家計相談サービス(ファイナンシャルプランナー)
このような「お金を増やす」ことができる会社を知ることができるだけでも行く価値があります。
中には強引な営業会社もいるので、連絡先の記入の際は注意してください。どうしても書かないと資料が配れないというのであれば、私は名前とメールアドレスしか書かないようにしています。
不動産投資エリアは区分マンションがメイン
自分も実施していることもあり「不動産投資」関連は興味があったので出展社を確認してみたのですが、現物不動産と呼ばれる中で、メインは「区分マンション(主にワンルームマンション)」がほぼ大半を占めていました。
「一棟モノ」と呼ばれる複数戸保有する「中古マンション」「中古アパート」を扱う不動産投資会社のブースがほとんど皆無に等しい状況でした。
少し前の同じような資産運用系イベントであれば、老舗の不動産会社から新興系の会社まで出展をしており呼び込みも激しい状況でした。同じく一棟モノで展開しているのは「新築系」の会社のみとなっていました。
明らかに不動産投資の流れ「中古から新築」「一棟モノから区分マンション」とが大きく変わってきたのだと感じざるをえません。
中古一棟アパート、マンションのメリット
中古物件は不動産投資をする上ではメリットが多くあるとされています。
これから建てる新築物件とは異なり中古物件の場合は、建物自体や周辺環境から入居率、家賃に至るまで、物件に関連するすべての情報を把握して購入できることが最大のメリットです。
- 購入価格が安い
- 利回りが高い
- 購入時に家賃収入がある
- 短期間で減価償却が使える
短期間で減価償却が使える
中古物件は新築物件よりも安く購入することができます。購入価格が安いと借入金額も少なくできるので返済計画も堅実にできます。
同じような立地・条件であれば、新築物件よりも2~3割程度安く購入することが可能です。築古物件であれば土地値と呼ばれる価格で購入することはメリットがあります。
短期間で減価償却が使える
物件価格が安いと利回りが高いのも中古物件のメリットでもあります。場所にもよりますが新築物件と比較しても3~4%以上は高い物件になります。
東京都内など場所が良い中古物件であれば、家賃を下げずに募集することも可能なので、購入価格が安い分、利回りが高くなります。
購入時に家賃収入がある
中古物件を購入する場合、一般的にはすでに入居者がいる状態で購入することが多いため、購入後すぐに一定の収入を得ることができます。
家賃収入が安定していれば、賃貸仲介会社への広告費なども発生することなく、収支計画を安心して立てることができます。
短期間で減価償却が使える
また耐用年数越えの築古ではあれば短期間で減価償却を利用できることもあり節税効果もある投資不動産です。
富裕層の方が節税目的で行うには高額の不動産は最適でした。まもなく封じられると言われる節税スキームだった「海外不動産」も同様の理由で人気がありました。
中古一棟アパート、マンションのデメリット
人気の中古物件ですが人気があり競争率も高いので、不動産投資の初心者のサラリーマンには中々購入できない物件でもありました。また初心者の不動産投資家には難易度がある物件の場合もあります。
- 融資が受けにくい
- 維持管理費が高くなる
- 売却が簡単ではない
融資が受けにくい
築年数がある程度経過した中古物件の場合、金融機関からの担保としての評価が低く見られ、融資承認が出ないことがあります。
以前であれば「スルガ銀行」や「西武信用金庫」など独自の基準で融資を出していた金融機関も存在していましたが、度重なる不正融資が続いたため現状は厳しいものとなっています。どうしても欲しい場合は、頭金を増やすしかないです。
維持管理費が高くなる
物件の状況によっては、購入した時点ですでに修繕や改修が必要な場合がありますので注意が必要です。初心者の場合、修繕費用などの相場がわかっていないと、法外な請求が来る場合もあるのでさらに注意が必要です。
必要な修繕や改修を行わないと入居者が自主的に退去する可能性もありえます。新たな入居者の獲得も非常に困難となります。レオパレスの施工不良アパートと同じ信用できない物件にもなりかねません。
売却が簡単ではない
中古不動産は基本的には「出口戦略」として売却することで最終利益が確定すると言われています。
しかし中古物件は、新築物件と比較しても築年数が経っているため、耐用年数を超過してしまうことがあります。
耐用年数超えのアパートには融資がつかないケースが大半なので次の買い手が中々見つかりにくい状況になります。
中古アパート、マンションが冬の時代に突入か
不動産投資の王道といえば「中古物件」でした。不動産投資を始めたころに不動産関係の方に相談したら「新築より築古を買うべき」と言われたくらい、中古でキャッシュフローを稼ぐことが最も効率的だったのです。
多くの不動産関連書籍も「中古一棟」「住居系」扱う本ばかりが並んでいたのです。セミナーでもアーリーリタイアを目指すサラリーマンで盛況でした。
ここ1~2年の金融機関による投資不動産への融資において「中古」には承認を出さない状況が、色濃く反映された結果となったのだと思われます。
それでも「区分マンション」だけしか買えないとなると、多くの戸数を購入するには時間がかかり、不動産投資のメリットを最大に活かすことができません。
資産運用において堅実に資産を増やしていくのであれば、「新築アパートなどで複数戸持つ」または「不動産投資とは違う収入源を得る」などの選択肢を検討する必要が出てきたと思います。
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