記者会見から考える不動産会社のコンプライアンスとは
昨日の宮迫さん田村さんの記者会見で、改めて「会社とは何か」「コンプライアンスとは何か」を考える機会となりました。
起こってしまった不祥事に対してどのように対応すべきかによって、会社として組織としての価値が評価されるということを感じました。
今回の吉本興業のスタンスとしては会社として「どう乗り切るか」という発想が強く、過去にも「乗り切った(隠ぺいした)」経験があるのではないかと思います。
「乗り切る」のではなく、どのように誠意をもって「対応するか」の話が重要になってきます。
不動産投資関連の「レオパレス」や「スルガ銀行」で不祥事が発覚した際には、「どう乗り切るか」がメインの動きだったと思います。
結果、コンプライアンスのない実体を発表する記者会見となりましたが後手後手になったことは否定できません。
「上場企業」でも「ワンマン」体制がある会社は注意
ましてや吉本興業は元上場企業であったということで、コンプライアンスもあったと思いたいですが、今回の記者会見の内容通りであればハラスメントが横行していた大企業となります。
今回の話は芸能に限ったことはでなく、不動産投資関連の問題でも同様の事態が起きていたことは周知の内容です。
「レオパレス」「TATERU」「スルガ銀行」どれもが信頼を持てる東証一部上場企業であったことに加えて創業家による「ワンマン」体制の会社でした。
案の定、そこにはコンプライアンスという企業として必要な言葉はなく、急成長を遂げたプロセスのまま会社だけが大きくなってしまった感が否めません。
そこには「パワーハラスメント」や「不正」がトップ自ら行っていたと言わざるを得ません。
トップダウン体制で今まで「乗り切れた」事実があるなら、逆らえるような体制でなかったのは容易に想像できます。
不正や不祥事が起きてからホームページなどで「コンプライアンス遵守体制の見直し」など公開するレベルでは遅すぎるのです。
いくら商品(不動産)が良かったとしても、会社としての信頼はできません。
コンプライアンスは会社の規模ではない
「上場企業だから大丈夫」
「会社はCMも出している有名な会社だから大丈夫」
「商品の良いので大丈夫」
そういった判断で企業を評価するのは難しくなってきました。
なぜならどれもが体裁だけ整えるだけでブランディングが出来るからです。そのプロセスや企業体制までは判断できません。
不正は企業としてはいけないことですが、その際にどのように対応できるかで真価が問われるので大企業だから大丈夫ではありません。
不動産業界は昔からの商慣習が根強いと思います。
しかし昨日の記者会見がテレビ局を通じなくてもインターネット経由で生中継され、事実をSNSで拡散される時代です。
「乗り切れる」「隠し通せる」社会ではなくなったという時代背景を理解しておかないといけません。
「TATERU」「レオパレス」は今回の吉本興行のように社員自ら告発することはありませんでした。
しかし企業側もコンプライアンスがなければいけないことを理解しないといけません。