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かつて地方中古アパートは不動産投資の王道だった
不動産投資は様々な投資対象があります。レオパレスのような新築木造アパートだけでなく、電話営業を受けやすい新築ワンルームマンションなど幅広くあり、目的と予算に応じて始めることができます。
私が不動産投資を本格的にする頃に流行った本の中で「地方高利回りアパート投資」というジャンルがありました。
都内のアパートはその当時から利回りも低く、士業や経営者で金融資産があるような方でなければ購入できませんでした。
そこで目につけられたのは、北関東を中心とした地方のアパートです。比較的安く購入できることもあります。
かつ利回りも10%以上は普通に取れる内容でしたので、都内のサラリーマンが飛びつきました。
今でこそ、10%以上はかなり厳しくなりましたが、都内の新築ワンルームマンションや億単位の新築アパートを購入するくらいなら良い数値に見えます。
実際には高利回りが実現できない状況
しかしあくまでも良い数値に見えるだけであって、実際には買ってから後悔しているサラリーマン大家が多いとも言われています。
家賃3万円では滞納者が続出しやすい?
高利回りのアパートになると、地方が土地が比較的に安価であるので部屋数も15や20になります。家賃も都内に比べると安く設定されています。
1Kタイプでフロ、トイレ別のいわゆるヨウカン型アパート(外階段で2階に上がる長方形型のアパートです)であれば、3万円前後のものが多いと思います。
地方の経済状況にもよりますが、3万円は安いので長期的に入居する方も多い傾向になります。しかしながら家賃を滞納する場合も多く、当初の利回りが達成できない場合も多々あるようです。
滞納だけであれば良いですが、夜逃げなどされるなど管理が良くない状況になれば他の入居者への影響も避けられません。特にゴミ置場が荒れるとトラブルも発生しやすいです。
維持管理費がかかる
地方のワンルームマンションにもある話なのですが、家賃が3万円になると退去時のクリーニング費用が10万円以上かかったという笑えない話もあります。
地方アパートも同じくリフォームが必要な場合は年間を通しても赤字になる部屋も出てきます。この点は販売する会社もリスクとして伝えるべきですが、往々にして知らされていないです。
融資がつきにくい
地方中古アパートは融資付けが難しいです。今の融資状況であればなおさら地方銀行でも中々承認がおりません。(その点は問題にもなった地方銀行はスピード審査で対応していたので重宝されていたのだと思います)
日本政策金融公庫が15年融資出せれば良い方です。こうなるとノンバンクに頼らざるをおえませんが、金利が高くなり当初予定の利回りによる収益が期待できなくなります。
簡単には売れない
「融資がつかない=買えない」ということは、オーナーから見ると「売れない」ということです。いわゆる「出口戦略」には不向きなアパートかもしれません。収支が悪い物件で売るに売れない状態が続くと、次の物件を購入するときの「ハンデ」になる場合もあります。
地方高利アパートに希望があるのか
地方高利回りのアパート購入で有名な不動産投資家の方も、最近が売却を積極的に行って、新築物件の資金しているとも聞きます。
地方の高利回りアパートの経営は、現時点では厳しいのかもしれません。このまま耐えるしかないのでしょうか。
しかし希望としては一部の富裕層の間では、耐用年数超えの築古アパートを購入する場合もあります。4年で減価償却を得るために購入して経費を計上するためです。
ある会社では同じアパートを順繰りで売買しているという話も聞きますが、絶対数からすれば買い手は少数だと思います。
リフォームを行い、健全な入居者を集めて物件価値を上げていくしかないと思いますが、本業が忙しいサラリーマンは大変なので良い管理会社などのパートナーを見つける必要があります。