「隠れレオパレス」を購入してしまった悲劇

隠れレオパレスの悲劇

「隠れレオパレス」とは何か

連日レオパレス21(以下、レオパレス)のニュースが沸騰していますが、昨日はYahoo!トピックスにもレオパレスの施工不良アパートが14599棟に増えたという記事が出ていたので、一般の人にも広く知れ渡ったと思います。

 

ここまで来ると、本ブログに取り上げていくのも不動産投資をする立場としては悲しくなってしまいますが、事実を冷静に判断し評価していくためには仕方がないことだと思います。

 

施工不良絡みで、今にわかに話題になっているのは「隠れレオパレス」問題です。レオパレス社によって建築されたアパートなのですが、すでに売却をされてレオパレス社の管理になっていない物件のことです。

 

レオパレスアパートの告知義務がない

賃借人からすると物件選びには、「場所」「家賃」「間取り」「設備仕様」などと契約を判断する際に必要な条件がたくさんあります。

 

その一つに「事故物件」と呼ばれるものがあります。不幸にしてアパート内で事故が起こった物件のことです。家賃が相場より安くなりお得な場合があります。入居者によってはあえてこの事故物件を借りる人もいるようです。

 

賃貸管理会社には事故物件を取り扱いする際にお客様に対して「告知義務」があります。オーナーからすれば早く入居してもらいたい意思もあります。

 

「事故物件」とは言わずに入居してもらいたいのですが、そういうわけにはいきません。(この点は最初だけでいいなど、商談する上ではグレーな取り扱いにはなります)

 

今回のレオパレスのような施工不良アパートの場合は「告知義務」ではないので知らない場合があります。

 

レオパレスのアパートは「レオパレス◯◯」のように社名を敢えてつけることによりブランディング効果を狙っている場合があります。

 

しかしこのように「レオパレス」と名前が付いているだけで敬遠する人も増えています。

 

「隠れレオパレス」では管理の問い合わせができない

しかし今レオパレスという名前が付いてないアパートが数多く存在するようです。これが「隠れレオパレス」です。

 

例えばアパート名称が「レオパレス新宿」という名前が「新宿ヒルズ」に変わっている場合があるのです。

 

そうとも知らずに、いざ住んでみると「レオパレス伝説」と呼ばれるような「隣の部屋が聞こえる」「エアコンが3時間で切れる」などの現象が起こることによって、初めて「元レオパレス」物件に住んでいたことを知るのです。

 

管理会社に問い合わせをしてもひどい時は「レオパレスに問い合わせをしてください」と言われるようです。そうしてレオパレスに電話をすると「うちの管理ではないので何もできません」ということで何もできなくなります。

 

困った賃借人は「消費者センター」などに問い合わせるしかないのです。今であれば「レオパレス」物件と質問できるかもしれませんが、契約する際には要注意です。

 

一番の悲劇は「隠れレオパレス」オーナー

レオパレス物件と知っていたかどうかにもよりますが、中古アパートとして「隠れレオパレス」物件を購入したオーナーが一番大変かもしれません。

 

現時点では詳細にはわかっていないのですが、今回の施工不良アパートの対象として「レオパレス社の管理物件ではない「隠れレオパレス」は補修工事の対象外の可能性があります。

 

対象となっていたとしても直接オーナーより優先順位が下がってしまうのではないかと思います。そうなると何も手の打ちようがありません。自腹で補修するレベルではないかもしれません。

 

アパートオーナーは火災保険には入っていると思いますが、修繕費という形で保険会社に請求できるかもしれませんが、違法建築アパートとなれば、そもそも請求が難しい可能性もあります。

 

サラリーマン大家にも「隠れレオパレス」オーナーがいたのか

私が不動産投資を本格的に始めた頃に、サラリーマン大家の方が登壇している不動産投資セミナーに参加しました。その際に何人かのオーナーが「有名メーカー建築の中古アパートを購入しました」という話を聞きました。

 

有名メーカーがどの会社を指しているのは当然わからないのですが、当時は安心できる有名メーカーのアパートを格安で購入できたこと自慢されていました。

 

有名メーカーもピンキリだと思います。ヘーベルハウスのような住宅メーカーでの仕様で作っているものもあれば、レオパレスや大東建託のようなアパート専業のメーカーが建築しているものもあります。

 

もしそのサラリーマン大家の方が「レオパレス」を物件購入し施工不良対象アパートだとしたら、不動産投資どころではありません。

 

そうなると売ることもできないので「融資返済までは持ち続ける」しかありません。もし売るとなると「レオパレス建築である」ということは言わないでしょう。そうなるとまた「隠れレオパレス」の誕生です。

 

こうなると「ババ抜き」状態の負動産になってしまいます。中古アパート市場には「レオパレス建築」と知らずに多くの物件が流通されている可能性が高いと思います。

 

そうなると今回公表している14599棟の施工不良アパート以上の悲劇が出てきます。全く先の見えない数値になりつつある状況をレオパレスはどのように思っているのか、どのようにしたいのか非常に気になります。

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