東京都内で一人暮らしをしている若年層(10~20代)による賃貸住宅への不満が高まっています。
特にコロナ禍による自粛期間において、一日中賃貸住宅で過ごすことになり、あらためて居住性について不満が出ているとのことです。
とくに部屋の広さに関して「夜は寝るだけ」の部屋ぐらいにしか思っていなかった賃借人にとっては「狭い」ことに苦痛を感じている人が増えています。
一人暮らしの部屋の広さは25平米(㎡)は必要
東京都内での賃貸料金は、他の地方都市と比較しても高い傾向です。住みたい駅が決まっていて、予算が限られているのであれば「部屋の広さ」などを妥協するしかありません。
昔のアパートのような四畳半の広さであれば、机、ベッド、収納家具を置けばすぐに埋まってしまいます。
それではどれくらいの部屋の大きさが理想なのでしょうか。
国土交通省が発表している「住生活基本計画」では、最低限必要な広さの目安(最低居住面積水準)として一人暮らしでは25平米(㎡)とされています。
ちなみに2人以上の世帯では10平米(㎡) × 人数 + 10平米(㎡)が目安となっているのです。
25平米(㎡)ってどれくらいの広さか
25平米(㎡)の物件は実際にはどれくらいの広さなのでしょうか。
賃貸サイトなどの検索条件で調べてみると、間取り的には一人暮らし向け1Kまたはワンルームになります。
1Kは一般的に1つの居室+水回り(キッチン、バス、トイレ)で構成される間取りになります。
ワンルームは居室とキッチンの間に扉や間仕切りがないタイプで用途としては、ほぼ同じ内容です。
実際の設備は下記のようになります。
- 約8畳ほどの居室スペース
- 玄関入口近くのキッチン
- 冷蔵庫スペース
- バス、トイレ別
- 室内洗濯機置場
- クローゼット
- バルコニー ※専有面積には含まれない
約8畳ほどの居室スペースであれば、ベッド・本棚・デスク・テレビといった生活に必要な家具を、居室には配置することが可能です。
余程の持ち物の量が多い人でなければ、快適に暮らせる広さではないかと思います。
25平米(㎡)未満であれば長期入居が難しい
25平米(㎡)未満の部屋になると、先ほどの間取りや設備の一部が削yていくしかありません。
コロナ禍のように長期間、家で過ごすこと余儀なくなされた場合は、快適に過ごせないので不平不満も出てきます。
またテレワークで都内で住む必要がなくなれば、同じ家賃で広さが確保されている物件への引っ越しも選択肢として出てきます。
そうなれば長期的に入居してもらえる可能性も少なくなります。
それでも狭い部屋の新築アパートが建築される
都内の新築アパートでも7~8%で販売されるようになりました。しかし間取りを見てみると居住スペースが5畳程度の狭小タイプです。
利回りを合わせるための部屋数を増やした結果だと思いますが、将来的には競争力のない厳しい物件になるのではないかと思います。
部屋の作りも横長に部屋が横並びになっている一般的なアパートになっています。
また日中過ごすことが少なかった人にとっては、「部屋の風通し」や「採光の少なさ」「隣室の音」などを感じるようになっています。
この横並びになっている一般的なアパートは「断熱性」「遮音性」に弱いアパートでもあります。レオパレスが大量に建築したアパートのモデルです。
これらの物件はオーナー目線で建築費を下げて利回りを上げるには都合のよいアパートの仕様です。
しかし残念ながら「都内」「利回り7~8%」だけで不動産投資ができる時代ではなくなってきています。
都内で中途半端なアパートを所有するのであれば、最低限25平米(㎡)以上の間取りの不動産物件を地方都市に持っているほうが、これからの不動産投資では堅実だと思います。
あわせて読みたい

