不動産賃貸で話題のサービスであった「OYO LIFE」ですが、大阪と名古屋に進出したばかりにも関わらず早々に撤退しました。撤退を余儀なくされた背景は何だったのでしょうか。
インドの格安ホテル運営会社、OYO(オヨ)ホテルズアンドホームズは、日本国内での不動産賃貸事業で大阪と名古屋から撤退する。2019年からソフトバンクグループと組んで拡大してきたが、稼働率が低迷。約8千に上る物件数は2~3割減るとみられる。今後は首都圏に絞り収益を改善する。国内ホテル事業は計画通り進める。
引用:日本経済新聞
インドとのビジネス環境が違ったのでしょうか。それとも地場の不動産業者との軋轢でもあったのでしょうか。あまりにも撤退の早さに今後のサービス展開が不透明な状況になりました。
OYO LIFEとは
「OYO LIFE」は、インターネットのテクノロジーを活用した新しいタイプの不動産賃貸サービスです。一番の特徴はスマートフォンひとつで契約までできることです。
- 物件探しから契約までスマートフォンで完結
- 敷金、礼金が不要
- 契約期間最短31日から最長24カ月まで
- 家具家電付き
- 公共料金やインターネット通信費も完備
複雑な手続きや2年契約の縛りや敷金礼金などがなくなり、手軽に部屋を借りることができることをメリットに自分のライフスタイルに合った生活ができると期待値が高いサービスでした。
従来の賃貸契約の課題を解消すべく誕生したサービスだけに、若い世代を中心に受け入れていくのであれば、不動産オーナーにとっても魅力の仕組みだったと思います。
OYO LIFEは3月に首都圏で開始
2019年3月28日より首都圏を中心に1都3県エリアでサービスを提供してきました。
昨年の2月の発表時点で13,000名を超えるユーザーが事前登録され、サービス開始に合わせて1000部屋ほど用意し、大きな注目を集めていたました。
「OYO LIFE」は世界最速で成長しているインドでのOYOの運営ノウハウを元に、日本の賃貸物件に手軽さと利便性をもたらすコンセプトは、あらゆるサービスがシェアリング化してきた現在においてはわかりやすいサービスでした。
10月に大阪、11月に名古屋と着実に拡充
お客様からエリア拡大を求める声を多いこともあり、大阪・京都・兵庫・名古屋でのサービス提供開始することが決定したのが昨年の秋です。
大阪、名古屋は東京に続き、安定的に人口流入が期待できるエリアでもあります。
「大阪」在住の利用者に向けて物件が検索しやすい関西専用WEBサイトを設けていましたが、すでに表示されてない状態になっています。
また「名古屋」は新築アパート関連でも一時期が利回りが取れるとして、多くのアパートメーカーが参入してきたエリアでもあります。学生やメーカーを中心とした企業も多く他府県からの流入も増えていくことが期待される地域です。
そのような流動性が高く、人口も多いエリアからの撤退はあまりにも早すぎる状態です。このような状況になると今後地域への拡大が難しくなります。
この記事の感想
ネットでの意見としては、インドとのビジネス環境が異なるのが大きいとの指摘もあります。日本の不動産業界独特の慣習が足かせになっているのかもしれません。
- やっぱり日本はインフラが整ってるから社会問題解決型のビジネスはやりにくい。
- スタッフ指導と、マニュアル作成&実行をしてほしい。
- 担当者が何度も変わるのに情報共有されていない
- コンセプトは素敵ですが、サブリースでは固定費が重い
- OYO LIFEの撤退は困るよ!頑張ってほしい。住宅の2年契約とかもう嫌だよ
引用:twitter
昨年12月に明らかになった日本市場戦略で手を組んでいたヤフーとの合弁関係を解消していたことの影響が大きいのかもしれません。
資金面での対応にできない状況になっているのであれば、仕方がないというところでしょうか。
しかしすでに利用している賃借人がいます。空室に悩むオーナーからすれば「民泊」のように新しい価値観を提供できる不動産サービスでもあります。「OYO LIFE」にはサービスの課題を解消して継続していただきたいと思います。
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