賃貸住宅大手の大東建託は、賃貸住宅に特化した展示場を東京都江東区の東雲地区に開業しました。
アパートといえば木造での構造が大変ですが、大東建託も多くの木造アパートを建設してきました。
今回の展示場では強度の高い合板を使った新工法も発表しており、レオパレスに見られた施工不良アパートをイメージを払拭するような印象です。
名前は「ルーフラッグ賃貸住宅未来展示場」
大東建託が開業した展示場の名前は「ルーフラッグ賃貸住宅未来展示場」です。
賃貸経営の未来を促すような展示場名で、敷地内に木造アパートを2棟設置しています。
賃貸オーナーが実際のアパートを知るうえでは、写真や設計図面だけではイメージがつきません。
実物のアパートを見るために、各社アパートメーカーは完成披露会などでオーナーに公開をしています。
しかし常時「完成披露会」をしているわけではありません。
今回ようにな展示場形式にすることで、いつでもアパートの実物が確認できるので、購入希望のオーナーにとっては雰囲気がわかるので良い取り組みかと思います。
注目は「CLT」と呼ばれる新工法
展示場の2棟のうち、1棟は在来工法の従来型のアパートです。
もう1棟はCLTと呼ばれる合板を組み合わせる工法で建てたアパートになっています。
CLTは材木を90度向きを変えて何重にも張り合わせた合板になります。
通常の材木よりも強度が高いうえ、コンクリートより軽くて断熱性があるとされています。
大東建託では昨年CLT工法のアパートを発売しました。
展示場にもこのCLTを目立つために同じ工法を組み合わせた大屋根がかかる斬新なデザインがされています。
大東建託は家賃査定に人工知能(AI)導入
また大東建託は人工知能(AI)を活用した家賃査定システムの対象を広げています。
手間のかかる家賃査定業務の効率化を人工知能(AI)で促す狙いです。
査定精度の向上により適正化を目指します。割安な家賃で物件を提供する機会を減らす効果があるとされています。
現在は既存アパート物件を対象にしていますが、今夏の8月をめどに新築物件の査定にもAIを取り入れる予定です。
新技術を積極的に導入して大東建託のアパート事業の活性化を進めています。
大東建託の直近の経営は厳しい状況
しかし大東建託の直近の経営は厳しい状態のようです。
先月の29日、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行の4行とコミットメントライン(融資枠)契約を進めています。
設定金額は700億円で契約期間は1年間とされています。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大により賃貸市場にも大きく影響を受けています。
とくにアパートを一括で借り上げて転貸するサブリース物件の家賃支払い猶予などの影響が生じているため、資金を潤沢に用意しておく必要があります。
大手アパート会社はサブリースで急成長
大東建託をはじめ大手アパート会社はサブリースを武器に大きく成長してきました。
しかしサブリースはオーナーに不利な条件になりがちで不透明な部分も多く社会問題化していました。
今月の12日に、サブリースに関する「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」が成立しました。
アパートなどの賃貸住宅をサブリースに対して不当な勧誘の禁止や重要事項の書面での説明義務を事業者に課すという内容です。
まっとうなサブリース業者もいるかもしれませんが、東証一部上場企業のレオパレス社はサブリース問題で度々ニュースに出ることから大半は悪質な状態になっているかと思われます。
アパート業界の健全化に向けて、大手が中心となって推進していけば、サラリーマンの不動産投資も活性化するのではないかと思います。
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