いま20歳が「年金」もらうためには
厚生労働省が公的年金制度の財政検証結果を公表した「年金の試算」ではさらに厳しい結果となりました。
年代別に見ると20歳のインパクトが大きいですが、軒並み70歳近くまでは働かなくてはいけない状況になっています。
20歳 | 68歳9か月 |
30歳 | 68歳4か月 |
40歳 | 67歳2か月 |
50歳 | 66歳 |
40歳でもの残り27年も働くとなると、それなりの負担が予想されます。
長期間ではありますが「働くこと」で「生きがい」が持てるという視点では、ポジティブに考えるべきです。
しかし今と同じペースで働けるのかは個々に考えておくべき課題です。
基準となる「所得代替率」とは
試算には、「所得代替率」という指標を使っています。
これは現役世代の手取り収入に対する年金額の割合のことです。
試算では下記のような条件で設定されています。
・夫が会社員で60歳まで厚生年金に加入
・妻が専業主婦の世帯
もっとも最近は共働きが多くなっているので現実的ではないかもしれません。
2019年度は現役の手取り平均額35.7万円に対して年金額は約22万円で、所得代替率は61.7%になります。
この「61.7%」が重要になり、政府は長期にわたって所得代替率50%以上を確保することを目標にしています。
今の計算であれば、17.8万円以上はキープしないといけないということです。
17.8万円というお金が少ないとみるかは、対象者の生活水準にもよりますが、余裕を持った暮らしとは思えない印象です。
給与と同じ「年金」をもらうには75歳まで働くしかない
「現役の給与と同じくくらいの年金がほしい」をとなった場合は、「所得代替率100%」になります。
それを実現するには下記の方法しかありません。
・受給時期を遅らせる
・受給時期までは働く
所得代替率100%にするためには75歳まで働かないといけないという試算も出ています。
「人生100年時代」と言われていますが、定年退職してから15年も働くのは現実的ではないかもしれません。
自らの備えが不可欠な時代は明白
「所得代替率」はあくまでも基準なので、今後の物価上昇率など考慮すると「50%以上」だから大丈夫というわけではありません。
国民として「年金」を信じたい気持ちはありますが、そうは言ってられません。
「年金」ではもはや足りない前提で、政府も「確定拠出年金などを活用」と自ら老後に備えるように呼びかけ始めています。
正直なところ「確定拠出年金」だけで本当に補えるのかという気持ちもあります。
個人的に準備をしておきたいのは、下記の2点だと思っています。
・不労所得での収入(不動産投資、株式投資など)
・軽作業での収入(在宅ワークや週3日程度の仕事など)
現役自体に本業以外で「収入を得る仕組み」を試行錯誤しながら準備しておくべきです。