なぜARUHIはプレスリリースを出したのか
フラット35取扱い金融機関の最大手である「ARUHI(アルヒ)株式会社」の株価が急落しています。
本日は市況全体も悪いということもありますが「年初来安値」となっています。今月に入って問題視されているフラット35の悪用による不動産投資による影響だと思います。
昨日発表されたプレスリリースでは関係性はないと発表しています。
しかしフラット35の取扱数が8年連続(※2018年5月17日時点)でNo.1である以上、ある程度は疑われても仕方がないことかもしれません。
疑いを払拭するために急遽リリースを出すことになったと思います。
2019年5月4日の朝日新聞で、【フラット35】※が不動産投資に悪用されているという報道がなされました。
当社が主体となり不正を行った事実は確認されておりません。しかしながら、過去の融資案件につき不正な申請が持ち込まれ、当社が意図せず実行した可能性について、かねてより住宅金融支援機構様と協力し、調査を実施しております。
同時に不正な申請を阻止する審査プロセスの厳格化につき住宅金融支援機構様と共に既に取り組んでおり、今後も継続して全力で強化してまいります。
引用:ARUHI(アルヒ)株式会社 公式ホームページより
「かねてより住宅金融支援機構様と協力」となると内部的には認めて調査をしていたとも取れる内容です。
問題は一部の社員だけによるものなのか、組織的に実行していたのかが知りたいところです。
誠意持って公表するのであれば、他の不正業者と同じく第三者委員会が介入すべきレベルになっているかもしれません。
蜜月関係にある不動産会社はどこなのか
今回のような不動産投資ローンで最大手の会社には、良い関係のある不動産会社があることが多いと思います。
スルガ銀行にスマートデイズ(かぼちゃの馬車)、西京銀行にはTATERUという図式があります。不動産投資に関する融資を優遇させてることで、WIN-WINな関係で急成長を実現してきた経緯があります。
長年ではありますがARUHIがフラット35の悪用を斡旋していたとしたら、裏には急成長の不動産会社がいても不思議ではありません。
新築アパートマンション業者なのか中古アパート業者なのかは不明ですが、不動産会社と金融機関の間で長年培われたスキームなのかもしれません。
そもそもARUHI(アルヒ)の前身であったSBIモーゲージ時代から、不動産投資へのローンは積極的だったと言われています。
過去に当時に珍しかかった全期間固定の不動産投資ローンの商品を企画および販売していました。不動産投資への支援は積極的な歴史があるのかもしれません。
フラット35の利用は約67万5千件
2003年に始まったフラット35の融資は、17年度末時点で完済された分を除くと実に約67万5千件になるそうです。
住宅金融支援機構は、これらの中から過去に発覚した不正の特徴などを参考にして投資目的が疑われるケースを絞り込みを行い、借り手の居住実態などを確認するとしています。
しかし、対象数はレオパレスの施工不良アパート数どころではない数字です。
国交省も流石に民間に指示をして傍観するわけにはいかない内容です。
住宅金融支援機構は国土交通省のOBも多数いると言われていますので、国としての本気に調査するのか試されます。
商品および審査体制自体に問題があったとすれば、住宅取得促進の政策にも影響が出てくると思います。
一括返済は流石に考えにくいですが、破産者が一気に出ないように慎重に進めていただきたいと思います。