地方銀行の新規での融資はほぼストップか

とうとう地方銀行による不動産投資への影響が明確になってきました。不動産会社との連携で融資額が最大化していたスルガ銀行の不正融資によって「不動産投資」への引き締めが一層強くなりました。

 

アパートやマンションなど投資用不動産向け融資(アパート融資)が曲がり角にきている。日本経済新聞が全国の地方銀行に実施した調査によると、今後、積極的に融資を伸ばす地銀はゼロだった。

担保価値を保守的に評価するなど4割強は融資の審査も厳しくすると回答した。不正融資が横行したスルガ銀行問題などを受け、地銀による融資が減速する可能性が出てきた。

グラフ

引用:日本経済新聞

アパート融資の残高(9月末)は前年同月比1.3%増の22兆9388億円になっており確実に増えてはいます。その中でも地方銀行(地銀、第二地銀)だけで約65%占めています。大手銀行の引き締めは当然の流れかと思っていましたが、競争が激化する地方銀行が次の一手として取り組んでいた「不動産投資」への融資が縮小されていく動きになってきます。

 

スルガ銀行、西京銀行など不動産投資家の間では有名な地方銀行は存在しますが、ここ数年で新たに参入してきた地方銀行があります。私もアパート会社から今まで聞いたことのない地方銀行からの提案を受けたことがありますが、急速に東京都内に支店を開設していました。

 

今回は100行の地方銀行の調査を行ったのですが、実に81%の金融機関がが残高が1年前より増えていると回答しており成長分野であったことは否めません。調査では融資姿勢について66%が「案件次第」と回答。34%は「慎重に進める」とし「積極的に伸ばす」はゼロという方針になっています。

 

「案件次第」という回答が唯一の救いかもしれません。「スルガ銀行とかぼちゃの馬車」「西京銀行とTATERU」のようなある程度パッケージ化されて収支が回らない物件や、利回り10%前後の「地方RC一棟」のように運営リスクが伴う物件に対しては、簡単には融資されなくなると思います。

 

新規で不動産投資を始めるハードルは上がったのは確実です。属性だけでなく、金融資産は当然のこと物件に対する評価が厳格化される方針は、すべての金融機関に共通する内容です。ここ最近の不動産投資の活況以前に戻り、健全化されていくしかないと思いますが、不動産投資全体が縮小化していく懸念があります。