「西武信用金庫」も不正融資が常態化していたのか

西武信用金庫

西武信用金庫

wikipediaより引用

西武信用金庫にも不正融資の疑い

地銀のモンスターと呼ばれていた「西武信用金庫」にも不正融資の疑いがあるニュースが報道されました。地銀の優等生で評価された「スルガ銀行」の不正融資による転落ぶりは記憶に新しいところですが、早くも不動産投資で知名度の高い金融機関に立ち入り調査が入る事態となってしまいました。

 

西武信金の預金量は2兆円を超えており、東京都内に加え、埼玉、神奈川両県にも支店があり、急速に事業を拡大してきました。報道によると不動産業者が改ざんした資料に基づき投資用不動産に対する融資を引き出すため、同信金に提出した疑いがあるとのことです。

 

首都圏でアパートを検討しているときに、アパート会社から「西武信用金庫」を紹介を受けました。当日は物件が対象エリアではなかったので実現できませんでしたが、その頃は「不動産投資といえば地銀かノンバンク」というイメージがあったので、「信用金庫でもできる」という存在感が強く印象に残っています。

 

信用金庫とは思えない不動産投資への積極融資

そもそも信用金庫は、通常の銀行のように「利益」が目的とはなっていない地域の金融機関です。株式会社の銀行との大きな違いとして、協同組織という非営利組織形態にて成り立っています。会員の出資による協同組織のため、利用者・会員が互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的としています。それゆえに地元の中小企業との結びつきが強い傾向にあります。

 

不動産投資においては「アパートローン」というものがなく、事業に対する融資を行っていることが基本です。また地域の金融機関になるので、基本は居住地域の物件しか取り扱いが出来ないため、融資エリアは都道府県内の一部地域に限られるケースが多い傾向があります。

 

同じ区内でも担当エリアが道一つ違うだけで、融資対象にならないこともあるようです。それだけ地域性が限られていて、地元で不動産投資をする大家さんでも地元の信用金庫だけのお付き合いで数十億円の投資を実現している方もいらっしゃるようです。

 

 

西武信用金庫が不動産投資に優位な3つの理由

そのような限られた条件の中で「西武信用金庫」が不動産投資に優位な点が3つあり、一部の不動産投資家からは「スルガ銀行」並みに重宝がられてたと聞きます。またアパート物件だけでなく新築ワンルームマンション投資にも融資を出しているようです。

1.属性条件が低い
勤続年数も1年以上で、会社規模は関係なく審査対象になっていた

2.物件評価が厳しくない
スルガ銀行と同じく、法定年数を超えた中古物件でも長期融資が可能だった

3.総借の規定と、返済比率の規定がない
一般的な金融機関にある融資額の上限の金額(例:2億円など)がない

 

 

スルガ銀行が不正融資により融資業務などが滞っている中で、積極的に借り換えの営業をしている金融機関と聞いていたので、まさかの事態になったという印象です。

 

西武信金はすでに内部調査を始めて組織ぐるみではないと否定をしていくと思いますが、急成長の裏に何があったか、スルガ銀行のように行員に過酷なノルマがあったのか、癒着した業者が存在していなかったか明らかにする必要があると思います。