「スルガ銀行」の元行員が預金不正解約容疑で逮捕されました。「スルガ銀行」の一連の不正融資でコンプライアンス(法令順守)が問題視されていました。
今回の事件からも伺えるように行員のモラルが完全に低下しています。不正融資だけではなく金融機関としての信用、信頼を完全に失墜したとも言えるのではないでしょうか。
顧客の定期預金を不正に解約し、だまし取ったとして、静岡県警沼津署と県警捜査2課は28日、有印私文書偽造・同行使と詐欺の疑いで、元スルガ銀行の行員を逮捕した。容疑者は「間違いありません」とおおむね容疑を認めている。
逮捕容疑は、スルガ銀行本店営業部の融資担当だった今年5月、複数回にわたり個人顧客の定期預金を不正に解約し、計約7500万円をだまし取ったとしている。
引用:Yahoo!ニュースより一部抜粋
スルガ銀行の社内調査により平成27年4月~今年6月にかけて、個人顧客3人分の定期預金を無許可で解約し不正流用していました。
しかも利用した先が個人の浪費ではなく、大半を取引先への融資金として流用していたということで、一連の不動産投資関連の融資に影響があったのではと思われる内容です。
3年前との記載ですが、不動産投資で「スルガ銀行」が勢いを増していた時期にも重なります。スルガ銀行は上司の「パワーハラスメント」による営業への指導が行われていたとの報道もあるので、おそらく融資の予算が達することができない行員が、窮地に追い込まれたの時に使用した方法なのではないかと思います。
当然、本人だけでなく一度成功したのであれば、常態化してしまうと完全にモラル低下としてしまい、業績のためなら手段を選ばないブラック企業への負のスパイラルがすでに始まっていたのではないでしょうか。
また不正解約は、個人ではそんなに簡単にはできないので、直属の上司や同僚、部下も含めて黙認されていたのではないかと思います。
信用第一の銀行業としてはあまりにもガバナンスが出来ていない状態で急拡大してしまったような気がします。
不動産投資の知り合いに「スルガ銀行」と取引をしていた方を知っているのですが、行員がおよそ金融機関のふるまいではなく、「ノリ」が軽く「派手」で「上から目線」で会話するのが印象だったと聞いたことがあります。
3年前の話が小出しに出てくるのであれば、「スルガ銀行」に関しては、まだまだ数多くの不正行為を隠しているかもしません。
真面目な行員がいたとすれば早々に退職をしていると思います。そうなると銀行業として存続も危ぶまれるのではないでしょうか。
最終的には他行に吸収されてもおかしくない状況になっています。顧客に何を提供して何をしたかった金融機関なのでしょうか。今となっては上層部の私利私欲のために業務していたようにも感じられます。
不動産投資だけにとどまらない、競争激しく生き残りをかけた地方銀行の現状が改めて浮き彫りにされたように思います。