国交省と財務省が所轄の住宅金融支援機構が運営
フラット35利用による不動産投資に国土交通省(国交省)からの指摘が早くも入りました。昨年同時期に発覚したスルガ銀行の不正融資と同じく国レベルまでの問題になってしまいました。
石井啓一国土交通相は7日の記者会見で、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利型住宅ローン「フラット35」に関し、不動産投資目的に不正に使われた疑いがあるとして、機構に実態解明を指示したことを明らかにした。
「本来の目的を逸脱した利用は遺憾。再発防止に向けて機構を指導する」と述べた。
フラット35は、自ら居住する目的で住宅を購入する人に対し、機構と提携した民間金融機関が資金を貸し出す仕組み。
機構は昨年秋に不正を把握し、借り手の居住実態や投資目的の有無などの調査を進めている。投資目的と確認できれば、一括返還を求めるなどの対応に乗り出すという。
引用:ヤフーニュース
フラット35は民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利住宅ローンです。住宅金融支援機構は「住宅金融公庫」の業務を継承した独立行政法人です。
2007年4月1日に発足していますが、所管省庁は、国土交通省住宅局と財務省であるという意味では国が関与せざる事態になってきます。
フラット35で返済が滞っていたのか
フラット35は住宅用の融資にも関わらず投資不動産に利用されていました。不動産の商慣習的に実施されていた可能性が高いグレースキームです。
提供している銀行などの金融機関もある程度理解して融資を進めていたとなると確かに根本的な解明が必要です。
フラット35は非常に低金利です。投資用不動産のアパートローンなどに比べると非常に優遇された金利設定です。
しかも全期間適用となると非常に魅力的なローンに見えます。通常のサラリーマンの給与所得を考えれば問題なく返済することができる返済計画のはずです。
今回なぜ発覚したかというと一つは賃貸に出していたマンション(戸建も含む)の返済ができなくなったことが考えられます。
昨今の空室率など傾向を考えると、場所によっては満室経営ができない状況になり頻度が多くなったためと思われます。
もちろん手出し分をサラリーマンの給与で補完できればいいのですが、年収も少ない若者にローンを組ませていることもあり、返済対応ができない可能性が高いと想像されます。
おそらく新築ワンルームマンションが大半かと思われますが、価格が高く利回りも3%程度ということで物件自体の組み合わせも悪かったと考えられます。まさに起こるべくして発覚した事態なのでしょう。
賃貸している一般人も調査の対象になるか
今回の動きとしては、まずは「住宅金融支援機構」が解明に乗り出します。明らかに投資目的と思われるワンルームマンションは重点的に調査されるでしょう。
次に問題として出てくるのは、数年間は居住用に住んでいた人が転勤や家族構成の変更により、貸し出すことが余儀なくされている場合です。
購入時点で意図的かどうかは判断が難しいところです。転勤期間の間だけ届出をすれば問題ないようですが、全物件が対応しているか不明です。国交省が示す一括返済の対象になるのかは大きな争点にもなりそうです。
融資後に追跡調査が必須になりそうです。すでに本人が住んでなく、自宅として成り立っていないのであれば、投資向けのアパートローンと同じ金利になってもおかしくありません。
いずれにしても審査がずさんだったということになります。本来であれば銀行が行なっている住宅ローンだけでもよかったはずです。
多くの人が低金利で住宅が購入できるようフラット35が提供されているはずです。しかし悪用されてしまえば、本来の目的に達していません。
またしても不動産投資に関連する悪評が出てしまったことが残念で仕方がありません。
[https://happy-apartment.com/2019/05/04/flat-35-illegal-use/]