スルガ銀行支援に異業種含め4陣営
スルガ銀行の経営再建のために外部支援をうけることになりました。苛烈なノルマ営業とパワハラ被害も発覚し、昨年の10月から金融庁がを出していた一部業務停止命令が4月12日に期間終了します。
来月の5月下旬にも業務再開を目指していますが、不正融資のイメージも強く信用面での補完が必要でした。ここにきて、4社が名乗りを上げています。
すでに金融機関からは「りそな銀行」「新生銀行」「SBIホールディングス」が支援の意思を表明しております。ダークホース的なところで家電大手のノジマがすでに株式の4.98%を取得している模様です。
すでに「買収を想定して接触してきた」と明かしている模様で子会社化を目指すのか、資本提携を検討しているのか不明ではありますが買収する可能性はゼロではない状況です。
収益の柱だった投資用不動産融資は増やすことができないと予想されるだけに、新たな再建の事業基盤ができるかが焦点になってきます。
不正融資後も収益性のあるスルガ銀行
不正融資で業務が停止した期間でもスルガ銀行は収益性が高い金融機関です。2017年3月期決算まで5期連続の最高益を達成しており、地銀の「優等生」としても評価の高い金融機関でした。
不祥事後も貸出金利回り3.35%(18年4~12月期)を保ち、本業のもうけを示す実質業務純益(単体)も428億円となり、同じ静岡県内のライバル金融機関を静岡銀行を上回る業績になっています。今もなお貸出金利回りが高いということは、それだけ金利の高い銀行だったことがうなずけます。
不正融資が先行していますが、実績のある金融機関なだけに支援する会社も異業種含めて多数いるのではないかと思われます。
なぜノジマが銀行に興味を持っているのか
ノジマは神奈川県で設立された家電量販店業界でも売上高ランキング6位に君臨する大手です。ノジマは株式会社ノジマが展開する家電量販店チェーンで東証一部上場企業になります。
店舗数も182(2018年調べ)幅広く家電製品を扱っており、中でもデジタルオーディオ、パソコン、スマートフォン端末を積極的に販売しており、最近ではシンガポールの家具・家電小売り大手コーツ・アジアに対して実施していた株式公開買い付け(TOB)により、同社を子会社化したと発表しています。
スポンサー活動も積極的で2018-2019年シーズンの卓球のリーグ・Tリーグのタイトルスポンサー契約を結んでいます。
しかし最近は社長のパワハラ発言が話題になり、マイナスイメージも先行しています(この点はスルガ銀行を買収した場合に繰り返されないか懸念されます)
なぜ、銀行業に参入するかという点がありますが、すでに大手のヤマダ電機がヤマダファイナンスサービスという100%出資の会社を設立し、ヤマダフラット35や、ヤマダフラットPLUS、 ヤマダフラットつなぎ、ヤマダアシストローンなどの住宅ローンの貸付、媒介を行っています。
ヤマダ電機は、住宅事業にも参入しているので住宅ローンなどは親和性があるかと思いますが、ノジマは未知数なところもありますが、個人への貸付業は小売店にとっても相乗効果が期待できるのかもしれません。
不動産投資への融資が復活するのか
不動産投資での融資は期待できるような復活は期待できないというのが多くの見解だと思います。もしできるとすれば厳格な審査のもと他の銀行と変わらない基準になるしかないと思います。
どんな物件でも消費者金融並みのスピード審査で融資ができた都合の良い金融機関にはならないと思います。
スルガ銀行は住宅ローンを受けられない属性の方への融資などで急成長した金融機関ですが、ノジマのような異業種を組むことによって新たな活路が見いだせるのかもしれません。