投資信託が設定している投資家に支払う分配金が減っています。
日経新聞の記事によると2019年の分配金額は3兆円弱とピークの15年(約6兆2000億円)から半減する見通しです。
投資信託といえば「毎月分配型投信」という時代がありましたが、今となっては見る影もありません。
日本最大を誇った投資信託「グロソブ」の今
日本最大を誇った投資信託「グロソブ」は解約が続いています。「グロソブ」は投資信託の名称で正式には「グローバル・ソブリン・オープン」と呼ばれます。
毎月分配金が出るということで長きに渡り高齢者を中心に人気のある金融商品でした。しかし現在の投信の価格は10年前の購入当初に比べ半分になってしまいました。
「毎月分配型投信」は分配金を出すために元本を取り崩すしかなく、過度の分配金は投資効率を悪化させていたのです。
「毎月分配型投信」は不労所得にはならなかった
「グロソブ」は画期的な金融商品でした。年1、2回しかもらえなかった分配金が毎月もらえるという斬新な設計が人気を作りました。
毎月収入があるという意味では不動産投資での家賃収入と同じく「不労所得」の考え方です。
高齢者からの支持を受けて残高を驚異的に伸ばし続けました。2002年1月から12年間、純資産残高の国内首位という偉業も達成しています。
リーマンショック前の2008年8月には残高5兆7千億円を突破しており今もその記録は破られていません。
しかし現在はグロソブの残高は最盛期の10分の1を切った状態まで落ち込んでいます。
もう2度と毎月分配されるような状況にはならず、高齢者が年金の不足分として期待していた「不労所得」は実現できることは難しくなりました。
投資は分散するバランス型投資に動いている
投資の世界では「分散投資」が基本になります。特に流動的な個人マネーは世界の株式や債券などに分散投資するのがトレンドです。
投資信託の一つにあるバランス型投信に人気が集まっています。対象の投資信託は残高は9月末に初めて10兆円を超えたという状況です。
不動産投資も同じことが言えます。不動産投資だけに拘ってはいけません。
投資の一つとして「不動産投資」はミドルリスクミドルリターンです。しかも資産として土地や建物を同時に取得できます。
「不労所得」の代名詞的な投資スタイルの一つであることは間違いありません。
しかしそれだけの傾倒するのはリスクを持つことになります。空室が出る度にローン返済にも影響してきます。
空室分の家賃はすぐに埋まるものではありません。インターネットでの株の売買ようにお金を動かし増やすことができないです。
ただ時間が過ぎるだけなのであれば、他の投資も視野に準備しておくことが大事です。
「不動産投資だけの収入で生活する」と言っていることは「サラリーマンの給与収入で生活する」のと同じで、「リスクが高い」ことに理解しておかなければいけません。
安定的な収益を狙うには「不動産投資」「金融投資」などを組み合わせた分散型投資をしないといけません。