金融機関の融資が厳しくなってから久しく連絡がなかった不動産投資会社から提案のメールがきました。
地方の一棟マンション物件になります。都市圏でない時点で対象外ではありますが、この会社は融資関係には自信を持っている会社でした。
ホームページの実績の見せ方は、物件のタイトルではなく融資金額を前面に出しているのです。それもスルガ銀行や西武信用金庫、オリックス銀行のような不動産投資に強い金融機関ではありません。
初めて聞くような地方銀行から都銀までの実績がある会社です。そしてその提案内容は「まだフルローンがいけます」と行った内容でした。
まだフルローンが出ること自体がすごいことですが、本当にフルローンでの不動産投資は良いのでしょうか。
頭金を入れない不動産投資は本当に良いのか
ある不動産投資会社の方には現金を入れるべきと言われてことがあります。
資産形成(長期間保有が前提)をするのであれば尚更頭金を入れるべきということです。
しかしキャッシュフローがメインであれば投資用物件を増やしていかなくてはいけません。
しかし短期間で物件を購入するには、頭金などの現金が必要になりますが現時点では厳しい状況です。
短期間で急拡大したくても現金に余裕がない場合が多いと思います。そうなるとフルローン、オーバーローンの選択肢が出てきます。
一部の不動産投資家の間では「現金を持ち出すことは良くない」と行った風潮があります。「フルローンやオーバーローンをしてこそ不動産投資である」と言わんばかりの内容です。
現金があるのに越したことはないですが「リスク」が高まることも意識しておかないといけません。
そして空室が続くようなことになるのであれば、結局は現金を持ち出す羽目になるのです。
頭金は土地(資産)購入している事と同じ
個人的には頭金は土地を購入するお金の一部と割り切っていますので損をしている感覚はありません。金融機関から不動産価格の10〜20%求められたとしても、勿体無いとは思っていません。
現金が土地に変わったと捉えています。
不動産投資に関しては正解はないと思っています。個々の目標とするキャッシュフローであったり、属性による条件でによって投資スタイルが異なります。
初心者からすれば堅実で成功だと思っていても、大規模大家からすれば急速に拡大できないと評価される場合もあります。
この記事を見る限りでは金額と利回りからして中古RCないし中古鉄骨造が想定していると思います。一時期流行った地方中古RCによるメガ大家の話に通じるものを感じます。
「2億円の中古RC物件をオーバーローンで高金利、長期間で借りることができ、月のキャッシュフローが20万円」という物件でも喜んで購入していた時代の話です。
今となってはリスクの塊のような不動産物件です。
規模拡大が資産形成に繋がるとは限らない
規模拡大と資産形成は別物のような気がしています。規模拡大は売却を前提にしてプロの世界の投資方法だと思います。
個人的にも所有していた中古区分マンションに関しては、購入より売却の方がストレスがかかりました。
売却に関しては専門的な知識のないサラリーマンが簡単にできるものではありません。規模拡大にはそれなりの覚悟が必要です。
いまだにお金を出さずにフルローン、オーバーローンで不動産投資をするということは、株式投資での信用取引やFXでのレバレッジ投資するくらいにリスクを理解した上での投資になっていると思います。
お金を使わずに不動産投資をしないと意味がないという考えは間違いではないかもしれませんが、正解とも思えません。
頭金を入れなくても不動産は購入できることもありますが、結局は使うことがあるのであればリスクヘッジとして頭金を入れるべきだと思います。