不動産投資の融資が厳しいと言われる中で、実は地方銀行の融資が増えているということです。
日本経済新聞が全国の地銀103行に実施した調査では、融資残高が1年前に比べ増えた地銀は59行と6割近くに上った結果となりました。
「融資がでない」「不動産投資ができない」と嘆くサラリーマン大家と情報とは裏腹な状況になっています。
「地方銀行の経営において不動産投資に対する依存度は高い」という事実は明確になりました。
不動産投資が再び活況する前触れになると良いと思いますが、まだ現実感がありません。
融資できる投資用不動産は限られている
地方銀行の大半は赤字になっており、若い世代の離職も増え経営状況が厳しい中で唯一の成長領域である「不動産融資」を減らすことはできないのが現状のようです。
ただ単純に不動産投資の復活したというわけではありません。
スルガ銀行の不祥事を受けて地銀の多くは、融資が厳格化された事実は変わりがありません。
シェアハウスのような収益性がない物件には当然融資が出にくくなっています。
一時の流行った地方RC物件のように、とりあえず持ち込めば融資ができるような状況ではないのです。
銀行に提出する資料をごまかすなどの不備がある場合は融資承認が出ることはなく、介在する不動産会社の提案レベルが低い会社が厳しい状態が続いています。
当然だとは思いますが確かな不動産価値と安定したアパート経営状況を確認できなければ、不動産融資を受けることができないのです。
都銀は依然厳しい条件での融資
地方銀行の不動産融資が増加する中で、大手都市銀行の融資は減少傾向です。
都市銀行での不動産融資を得るには物件価格の3割は出さないといけません。
5000万円の物件であれば1500万円、1億円であれば3000万円になります。
サラリーマンが勢いで用意できる金額ではないので、事実上初心者への不動産投資への門戸を閉じているようなものです。
すでに融資を受けている不動産投資家であれば安泰かというと「借換」でも同じ条件です。
残債に対して、3割近くの現金を用意しないといけないという銀行もあるようです。
噂では「りそな銀行」は、ほぼ新規の不動産融資を止めているという情報もあります。
地方銀行の今後はどうなるのか
地方銀行は、しばらくは「不動産融資」を続けていくと思います。
即効性があり収益が確保できる「手堅い金融商品」は不動産融資しかないからです。
赤字銀行を減らすべく金融庁の支援のもと「地域密着型金融」と称した取り組みとしてコンサルティング業を掲げてはいますが、事業の中心になるのは時間がかかると思います。
そうなると必然的に金融機関の統廃合が進んでいきます。異業種からの参入も激化していくでしょう。
既成概念にとらわれずに、時代の流れに乗って決断ができる銀行が残っていくのではないかと思います。
その時流に乗った銀行が「不動産投資」が再び盛り上がる道を切り開いてくれることを期待します。