フラット35Sの悪用で国の補助金も利用
先週から話題になった長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の不動産投資に使う悪用に関して「フラット35S」を利用していることがわかりました。
機構は17日、投資用なのに居住用と偽るなど不正利用の疑いがある融資が113件あり、9月までに実態を調べると発表した。
価格を水増しし、多額の融資を引き出す不正も含まれる。113件すべてがフラット35Sで、試算では3月末までに計900万円の補助金が不正に使われた疑いがある。
機構は「補助金が不正に支出されたと確認した場合、適切に対処する」、機構を所管する国土交通省も「本来の目的に反していれば、返還を求める可能性も含め適切に対処する」としている。
引用:朝日新聞デジタル
「フラット35S」省エネなどに優れた住宅だと金利が低くなる仕組みです。省エネやバリアフリーなどの性能基準を満たした住宅であれば、金利が一定期間下がります。
引用:フラット35 公式ホームページ
じつはこの引き下げの原資として国の補助金が使われております。結果、我々の税金でまかなっている国の補助金が不動産投資の悪用に使われたことになります。
融資の大半がフラット35Sになっている
フラット35は、住宅金融支援機構が機構が民間銀行などと連携して提供する最長35年の住宅ローンです。この「フラット35S」は、2018年度に受けた251億円の大半を占めていました。
国が補助金を出したローンでの不正が113件であることがわかったとのことです。ローンを提供する住宅金融支援機構は、不正分について補助金を国に返すことも考えています。
補助金は機構が国から受け取るが、補助金の恩恵を享受するのはローンの不正利用者。このため、不正がわかった利用者に対し、機構はローンの全額返済だけでなく、優遇金利で払わなかった利息分も払うよう求める可能性がある。
この件に関して、不動産販売会社元社員は首都圏郊外の中古マンションが中心に「多くの物件でフラット35Sを使った」と話しています。
元々フラット35対象ではない中古マンションを元社員らは十数万円かけて風呂場に手すりをつけ、バリアフリー性能の基準を満たして販売して優遇金利を適用させたというから呆れます。
国まで巻き込んだ住宅金融支援機構の失態
この補助金の悪用を見落とした住宅金融支援機構の責任は大きいです。特に国交書の天下り先としても有名な住宅金融支援機構ですが、どのように収束をしていくのか今後の対応が注目されます。
国に対して示しがつかないので、詐欺にもなり得る悪質な案件の一部は住宅金融支援機構も契約違反で一括弁済をするかもしれません。
いずれにしてもフラット35の存在自体も評価が分かれそうです。属性が高くない人にも住宅を購入できるようにした功績はあるかもしれません。
しかしこのような悪事が横行するのであれば役目が終わるのかもしれません。